平塚版 掲載号:2012年8月30日号
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行商専門の魚屋乄(まるしめ)の主人 亀井 登さん 千石河岸在住 72歳

魚の行商一筋60年

 ○…毎日午前3時に市場で仕入れをし、さばいた魚を車に積んで得意先に売りに行く。かつて「須賀(現在の港地区)のボテイ」と呼ばれた、今では数少ない魚の行商人だ。黒部丘や松風町、桃浜町、八重咲町などに140軒ほどの得意先を持っている。「ほぼ毎日売ってるよ。たまに休むと『今日は来ないの?』って電話が来ちゃうんだ」と人懐っこい笑顔。得意先からは「さぶちゃん」の愛称で親しまれている。

 ○…代々魚屋の次男。愛称の由来「魚三(うおさぶ)」は父親の魚屋で、そちらは兄が継いだ。商売を始めた当初は魚三の名前を使っていたため、さぶちゃんと呼ばれるようになったそうだ。店は構えず昔から行商一筋。客の好みは全て頭に入っていて、仕入れた魚に合わせて売りに行く場所を決める。「お客さんと話すのが楽しい。おいしかったって言われたら最高だよね」と、にっこり。行商は客との信頼関係を築くまでが難しい商売だが、その親しみやすさで顧客の心を掴んで離さない。

 ○…幸町で生まれ育つ。昔から行商が好きで、子どもの頃から手伝いで自転車に魚を積んで売り歩いていた。中学生くらいの歳で東京の魚屋に修行へ行き、20歳頃に平塚に戻ってきた。修行時代に行商で使った魚桶は今でも大切に手入れされ、たまに配達で使っては「珍しいね」と驚かれるそうだ。

 ○…かつて多くの魚屋が軒を連ねていた港地区も、今では70軒ほどに減少した。行商をしているのはわずか2〜3人ほどだという。「やっぱり寂しいよね」と、昔を思い出し遠くを見つめる。自身も8年ほど前に脳梗塞で倒れ、一時は廃業を覚悟した。「でも元気になれたし、仲間や妻も支えてくれる。親切なお客さんも多いから、体が動く限り続けるよ」と満面の笑みを浮かべる。平塚自慢の旨い魚を届けるため、今日も笑顔いっぱいで得意先へと向う。
 

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