全日本学生柔道優勝大会で7連覇を遂げた東海大学男子柔道部監督を務める 上水(あげみず)研一朗さん 市内真田在住 40歳
勝負への緻密な準備
○…男子監督に就任した2008年から全日本学生柔道優勝大会で7年連続優勝。東海と明治の2校が持っていた4連覇記録を更新中だ。6月の同大会で達成した通算20回目の優勝に「学生の頑張りが最大要因」と教え子を称える。「大学のバックアップをはじめ後援会やOBの支援、コーチスタッフも揃っている。総合力と多くの支えのおかげ」。強豪柔道の名監督はどこまでも謙虚で律儀。
○…熊本県出身。小学5年で柔道を始めた。入学した中学校で教諭をしていた父からは「道場では他人」と厳しく指導を受けた。体格にも恵まれ、東海大学付属相模高校へ。高校柔道の団体戦日本一を決める金鷲旗大会で優勝。大学3・4年の時に全日本優勝大会で2年連続優勝を果たした。順風に歩んできたと見える経歴だが、「勝てそうで勝てない。挫折もしたし、いろいろと考える立場にあった」と振り返る。大学院と実業団を経て米国のアイダホ州立大へ留学。英語に苦労しながらインストラクターとして柔道の技と心を教えた。「必死になったあの2年間があるから、今の自分がある。日本の良さも分かった」。学生には「積極的に世界に出ろ」と勧める。
○…いかめしい顔つきで近寄り難い武道家のイメージがない。「笑う門には福来る」を全身で表している感じ。柔和で紳士的な物腰。平塚柔道協会の奥山会長は「若くして品格を備えた人物」と評す。自身は「臆病で傲慢。勝利した次は二度と勝てないのではと思う」。
○…大勝負になるほど理想的な勝ち方を求めたくなるが、それはないと言い切る。「最悪の状況でも積み重ねてきた準備の引き出しをどれだけ使えるか」「量より質。それも究極の質を高めることが重要」と語る。企業経営や危機管理の理論に通じるような、数年先を見越したチーム作りと選手育成を常に考える。体育学部武道学科准教授。柔道や仕事に対する真摯な姿勢は山下泰裕師範が手本だ。
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