平塚警察署長に就任した 石井 清一郎さん 市内在勤 57歳
安全安心の期待背に
○…3月中旬に平塚署に赴任。署員を前に述べた訓示では「一所懸命」「凡事徹底」という四字熟語を掲げた。「市民の安全安心に向け、当たり前のことをしっかりとやり抜きたい」。落ち着き払った言葉の端々に、初の署長として臨む職務への決意がにじむ。
○…祖父から息子まで、4代にわたり神奈川県警で働く警察官家系。高卒で警察官を拝命して感じたのは、制服の持つ重みという。「私服で市民に声をかけたところで誰も応じてはくれない。制服を着ているからこそ、警察官としての存在を相手が認識してくれる」。制服の袖に腕を通すたび、市民の信頼を背負う責任感を募らせた。
○…足掛け10年所属した機動隊では、阪神淡路大震災の被災地での治安対策をはじめ、オウム真理教による地下鉄サリン事件に絡んだ上九一色村での警戒活動、坂本堤弁護士一家殺害事件の遺体捜索などにも従事。東日本大震災から5年後に開かれた伊勢志摩サミットでは、財務大臣・中央銀行総裁会議の開催地となった宮城県仙台市へ長期赴任し、宮城県警の一員として警備にあたった。「署員の中には震災で身内を亡くした人もいたが、しっかりと役割を全うする姿が印象的だった」。地域住民と警察官が身近な距離感で接する光景も目に焼き付いているといい、「このまま宮城県警で働きたいと思ったほど」と懐かしむ。
○…趣味のウオーキングでは五街道の踏破が目標といい、「定年後に再開して京都まで歩けたらいいな」。平塚でもオフには街なかを歩くのが楽しみで、渋田川沿いに咲き誇る桜並木も満喫した。単身生活は手慣れたもので、毎日の弁当も手作りというこだわりよう。「おかず?野菜炒め一択ですね」と相好を崩した。
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