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平塚・大磯・二宮・中井 人物風土記

公開日:2025.02.21

柔術の国際大会「ASJJF ASIA CUP2025」で準優勝に輝いた
芦川 太一さん
平塚市四之宮在住 33歳

勝つまで立ち上がる

 ○…アジア最大規模の大会で、初出場ながら準優勝に輝いた。「決勝で負けた悔しさもあるけれど、うれしかった」と喜びをかみしめる。大会前には、所属する平塚市立野町の湘南ブラジリアン柔術アカデミーで、週4日の練習のほかに自主練習で技を磨いた。出場したマスター1・ライト級・青帯部門では、1、2回戦で得意の立ち技を駆使して勝ち進んだが、決勝で惜しくも敗れた。「決勝の舞台での勝負のヒリヒリ感は日常では味わえないものだった」と振り返る。

 ○…小学校6年時に始めた柔道ではなかなか勝てなかったが、高校時代にレスリングに転向すると、その才能を発揮し始めた。高校最後の試合で、「微妙な判定で負けてしまい、そのまま終わりたくなかった」と、推薦入学の強豪選手が多い大学に、一般入試で入学。雑草魂で、国体で5位にまでなった。大学卒業後は競技から離れるが格闘技の熱は冷めず、通勤途中にある同アカデミーの門を叩く。柔術でもこれまでに培った逆境での精神力や経験を活かして頭角を現した。

 ○…現在は大磯町立国府中学校生沢分校で3年生の担任と数学教諭を務め、「生徒が成長する瞬間を見れた時は本当にうれしい」と微笑む。大会後には必ず生徒たちに結果を報告する。「勝つと、『すごい』『おめでとう』と私より喜んでくれる姿を見ると、もっと頑張ろうと思えるんです」と目を細める。

 ○…目標は、「負けた人達に勝つこと」と「世界大会優勝」。「最近負けてばかりいたから、目標が増えちゃった」と笑いながらも、戦う意欲は尽きない。悔しい思いを糧に成長してきた自身の経験から、「生徒たちにも頑張れば成長できると伝えたい」と、教師、柔術家として高みを目指す。

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