関東学院大学 材料・表面工学研究所の所長に就任した 高井 治さん 教授・工学博士 70歳
ワクワクは止まらない
○…研究にまい進すること半世紀。開発してきためっきや金属、紙などの表面処理技術は、身近な工具や自動車部品、スマートフォンにも使われている。研究で関わった特許は取得・申請中を含め100件を超える。1カ月以上研究室に「缶詰」になることもあるが、疲れを見せずに「勉強は楽しくないとね」と目を輝かせる。明るく弾んだ笑顔がトレードマークだ。
○…昨年4月、材料・表面工学研究所が横浜から市内荻窪の湘南・小田原キャンパスに移転。緑に覆われ、静かで広々とした施設は、まるで欧米の研究所のように感じたという。産業界で活躍できる人材育成にも力を入れており、文部科学省認定の材料・表面技術マイスタープログラムでは社会人も学んでいる。「勉強は、何歳からでもできるんです」と話す通り、教え子は20代から80代と幅広い。
○…「いつも笑ってばかりいるから、妻からは馬鹿にされちゃうんだけどね」。家族の話になると目尻を下げる。ドイツ人の奥様と2人の子どもたちは現在、ドイツ西部の都市デュッセルドルフで暮らしているため、普段は単身キャンパス内のゲストハウスで生活。家族との電話やメールが楽しみで、子どもたちの動画に目を細める優しいお父さんでもある。
○…最新技術は、葉っぱやヤモリなど自然からヒントを得ることも。水を弾く生物を観察することから開発された超はっ水コーティングもその一つ。キャンパスには今日も、新しい発見にワクワクする教授の姿がある。「面白い話をたくさんして、若い人たちに興味をもってもらえたら」と、子ども向けの化学教室も計画中。世界レベルの研究施設を「教育や交流の場として、地域の人に役立ててもらえるようにしたい」と意欲を語った。
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