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小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記

公開日:2018.08.25

市民会館で40周年記念カラオケ発表会を行う
真壁 一昭さん
沼代在住 77歳

やっぱり俺には歌



 ○…主宰する音楽教室が40周年を迎え、9月2日に記念カラオケ発表会を小田原市民会館大ホールで開く。5年に一度の発表会。喜寿を迎え、「これが最後かな」と笑いながらも「総勢120人が舞台に上がる。たくさんの人に聴いてほしい」と熱意を込める。



 ○…市内沼代の八重桜農家に生まれた。地元の弁当屋と農業を兼務しながら、20代後半から趣味で民謡を習い始めた。次第にギター演奏にも興味を持ち、プロギタリストの演奏テープに合わせて歌い、カセットデッキに自分の歌を吹き込んだ。「当時からカラオケと同じようなことをしていたの」。自宅の敷地内に構えたスタジオで始めたカラオケ教室。民謡教室の閉鎖が決まり「このまま解散するのは寂しい」と始めたのがきっかけだった。「私が先生になるつもりはなかったのだけど」と当時を振り返るが、仲間から時折出る質問に「きちんと答えられた方がいいのかな」と認定証や歌謡教授の資格も取得。全盛期に生徒は100人に上った。



 ○…意外にも人前に出ることが嫌いだった少年時代。橘中学校に通っていた頃の趣味は絵を描くこと。小田原や湯河原の風景を描写、コンクールで入賞してアメリカに作品が送られたこともあるほどの腕前だった。



 ○…舞台に立つ時に着る白の羽織袴は6年前に他界した妻が用意していてくれたものだった。「最初はこれで歌うのが照れくさくて1、2年はタンスにしまっていた」。しかしある日、整理していた時に偶然出てきた衣装の領収書。「これは着なければという金額だった」。それ以降、舞台衣装は決まってこの袴だ。「いつでも支えてくれた妻には今も感謝している」とポツリ。だが40周年の節目を前に、「俺にはやっぱり歌」とすぐに豪快な笑顔に戻った。

 

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