先祖のこと、家族のことを改めて思い返す機会となっているお彼岸。春分の日と秋分の日を中日とし、その前後3日間、計7日間がお彼岸期間です。初日を「彼岸の入り」、最終日を「彼岸明け」とし、この時期に行う仏事を彼岸会(ひがんえ)と呼びます。
気候と結びつく日本の彼岸
「暑さ寒さも彼岸まで」という慣用句があるように、日本的な気候との結びつきも強いこの習わし。
季節の分かれ目でもある春分と秋分の両日は、日常の世界である「この世」(此岸)と仏様(故人たち)の世界「あの世」(彼岸)が最も近くなる日で、思いが通じやすくなる日とされています。春分、秋分の日に自分たちも極楽浄土にたどり着き、ご先祖への思いが伝わりやすくなるとされたことから、この行事が定着していきました。
お墓参りをするのは先祖への感謝や供養という意味が大きいと思いますが、この習慣は仏教の考えと日本独自の気候や風習などが加わった、他の仏教国ではあまり見られない習慣となりました。
新型コロナの影響で、お墓参りを控えている人も多いことでしょう。この機会に先祖のことやお墓のことなど考える機会にしてみてはいかがでしょうか。