小田原警察署管内の宮城野駐在所(箱根町)に勤務する高野陽丞(ようすけ)さん(42)は山岳救助チームのリーダーだ。10kg以上の装備を身に着け救助に向かう。連絡があればすぐに駆け付けるその姿から、野崎剛志署長からは「山の神」と呼ばれる。北アルプスがそびえる富山県出身。「山の駐在所に配属になったのも運命」と、山々に囲まれた箱根で献身的に職務に当たる。
「地域の人に愛される警察官になりたい」と、自ら駐在員を志望。家族を連れて、箱根に移り住んだ。箱根に駐在して10年以上の月日が経ち、今ではすっかり町に溶け込んでいる。地域住民から、野菜やおかずの差し入れをもらうことも。
船乗りの肩書も
学生時代は船乗りを目指していた。商船高等専門学校に進学し、航海士3級と小型船舶1級の免許を取得。警察官となった今も、芦ノ湖での水難救助訓練で役立っているという。山だけでなく湖での緊急時にも駆け付けられる救助のエキスパートだ。
子育ては役割分担
職場を離れれば2児の父。「父が恐いと娘に嫌われちゃうから」と妻の助言を受け、「叱るのは母、褒めるのは父」と役割分担をしている。日頃娘に、警察官として働く姿を見られることもあり、家庭では威厳のある父だという。趣味は筋トレで、着々と家のジム化が進む。身体は、「まあまあ良い感じに仕上がっている」とニッコリ。
「無事救助できたときに報われたと感じる」。箱根山は比較的登りやすい山であるため油断しやすいという。救助に向かうのは、登山者の遭難や負傷のケースが多い。どんな山にも危険はつきもので、遭難すれば命を亡くすこともある。箱根町消防署と協力し合いながら、これからも地域の安心・安全を守るために尽力する。「箱根は私が守りますので」と心強い一言。
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