小田原市自治会総連合会長に就任した 川口 博三さん 小田原市国府津在住 83歳
笑顔は人とのつながりから
○…小田原市内26の地区自治会連合会と250の単位自治会で構成する総連合の会長に4月に就任した。「コロナ禍においても、地域のつながりは不可欠なもの」と、行政や各種団体との連携を密に、コミュニティ組織の活動の活性化などに取り組む方針だ。「考えるだけでなく、動く。おまつりなども再開していくタイミング。環境を整えていきたい」と意気込みを語る。
○…定年を機に「地域に恩返し」と自治会に積極的に参加するように。国府津第10区の会長に就いてすぐ、地区内のひとり暮らしの高齢者が亡くなり、発見に1週間かかった事件が発生した。「こんな悲しいことがあってはいけない。普段から顔を合わせることが大事」と、民生委員と協力し、高齢者宅を訪問する見守り事業を始めた。次第に近隣にも広がり、今も継続している。「安全、安心、明るい、元気。地域にはこの4つが必要」と思いを込める。
○…国府津で生まれ育つ。野球に陸上、バスケにバレーと運動が得意。大会ともなれば、助っ人としてあらゆる部活で活躍したという。工業高校で機械の面白さに目覚め、藤沢のネジメーカーに就職。「どんな工程も改善の余地がある」と工場の効率化にも貢献し、施設管理から人材教育まで幅広く業務に携わった。自治会活動に関しても「仕事で培ったことが生かせる」とやりがいをもって取り組む。
○…2人の子どもは独立し、夫婦水入らずで過ごしてきたが、大学生の孫が通学のために自宅の離れに下宿し始めた。時間が合えば食卓を囲み、晩酌にも付き合ってくれる。「この一杯が美味しくてね」と笑みがこぼれる。近所とのあいさつで朝が始まる。「暮らしは、人とのふれあい」と微笑んだ。
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