湘南オーガニックファーマーズマーケットの実行委員長を務める 増田 耕大さん 小田原市曽我谷津在住 33歳
移住者視点、地域の力へ
○…上府中公園で6月、県西に移住した18軒の農家が中心となりスタートした「湘南オーガニックファーマーズマーケット」の実行委員長。それぞれが農薬や化学肥料不使用の野菜、減農薬果実を販売するほか、会場には「移住相談窓口」も設ける。就農と移住の実践者視点から「食への関心がある方や、都心から来た方など、どちらも意識の高さを感じる」と手ごたえを感じている。
○…静岡県で高校まで野球に熱中。リハビリや医療に携わろうと国際医療福祉大学に進学したのが小田原暮らしの始まり。「高3の見学時に身体機能を中心に見る理学療法ではなく、心も見て回復を目指す作業療法に興味を持った」。卒業後は市内の福祉施設勤務を経て、その後海外の福祉現場を巡った。働きながら南米からアフリカ、欧州など8カ国を訪問。帰国後、「地域で何ができるのか」と自問自答し、導き出したのが作業療法として国内外で活用されていた農業の道だった。
○…30歳の時に小田原で就農し、今は妻と0歳の娘、ヤギ2頭と暮らしながら、2万平方メートルの畑でミカンや野菜を育てる。当初は自然を相手に作業に追われていたが「今は畑仕事より家族の時間が大事。マーケットや新しい販路も増えたけど、心にゆとりが生まれた。忙しいって言葉は使わないようにしています」と愛娘に微笑む。
○…まちの規模や自然、気候も含め「小田原は『ちょうど良い』場所」と話す移住者の目線。「地域で力になってくれた人は多い。これからは僕たちの経験を生かしてまちの力になりたい」。オーガニック野菜に親しむ場であり、移住や就農の拠り所にも。「多くの方が関わっていくことで、自分のイメージを超えた展開になっていったら楽しいですね」
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