2種の国際コーヒー鑑定士資格を持つ 中澤 怜(さとし)さん 小田原市城内在住 43歳
味も楽しさも「世界一」
○…コーヒー鑑定士唯一の国際共通資格といわれる、CQI認定のQグレーダー。「Qアラビカ」を2年前に、「Qロブスタ」を今年8月に取得した。香りや風味の識別や生豆・焙煎豆の評価と格付け、高度な専門知識などを問われる難関の試験で、両方の資格保有者は現在日本で二十数人、世界でも330人ほど。「2種のコーヒー鑑定士の資格を生かし、地元で世界トップレベルのコーヒーを提供していきたい」。小田原市中町で自家焙煎珈琲店カフェクラウディアを営み9年、新たな目標を胸にする。
○…城内小学校最後の卒業生。「インドア派のひょうきん者」で、絵を描くことが大好きだった。「もしかしたら、ラテアートに生かされているかも」とニヤリ。今も店には同級生や担任が来てくれるのだとか。相洋高校を卒業し大学へ進学すると、飲食店でアルバイトに勤しんだ。接客の魅力に目覚めたのはこの頃だ。亡き父が喫茶店の店主だったこともあり、「血なのかな。お客さんと店主が談笑している、老若男女が楽しめるカフェができたら」。
○…夢を抱いていた20代、突如左目に緑内障を患い視力をほぼ失った。小田原に戻り菓子製造業で働くも、今度は右目も緑内障に。「ポジティブになんてなれなかった」と振り返る。目が不自由になったことで以前とは同じことができず、仕事にも限界を感じた。
○…それでも、人が好きなことは変わらない。2年かけてコーヒーの焙煎技術を磨き、思い切ってカフェをオープンした。追求すればするほど、生産者へのリスペクトが高まり資格に挑戦。繊細で奥深いコーヒーの世界だが「気軽にさまざまな味わいを楽しんでもらえたら」と気さくに笑い、「世界一楽しいコーヒー屋」を目指す。
|
|
|
|
|
|