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小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記

公開日:2022.11.26

OSK日本歌劇団で男役を演じる
鼓珀 響さん(本名:高木おりね(織音))
箱根町出身

凛とした舞台人に

 ○…今年、創立100周年を迎えたOSK日本歌劇団に入団。女性だけで演じる日本特有の三大歌劇団の一つで、7月の京都・南座公演で初舞台を踏んだ。観客の拍手に包まれる中、「上級生たちが前に、その先にお客さまが見えた。コロナ禍でも続けてくださったからこそ今がある。記念すべき年に、感謝でいっぱいです」と感無量に。

 ○…箱根町宮ノ下で育った。クラシック音楽、ミュージカル、歌舞伎など、母親と観に行くことが楽しみで、物心付く頃には舞台上に目を輝かせていた。幼い頃は「引っ込み思案で前に出るタイプではなかった」ため、周囲からは入団を驚かれるという。小学校から高校まで函嶺白百合学園に通い、昭和音楽大学の声楽科に進学。歌劇団の男役への夢を募らせるも、言わずと知れた狭き門。「大変な世界。なかなかチャレンジできなかった」と振り返る。

 ○…大学の恩師の勧めで研修所を受験。一発合格を果たし、大学を中退して19歳で単身、大阪へ。研修所で学んだ2年間は、歌やダンスの授業でもマスクを付けて励んだ。芝居の表現などで悩み、母親に電話することも。そんな時、奥から聞こえる虫の音に故郷を感じ、箱根の緑が恋しくなることもあったという。

 ○…スラリとした172cmの長身に、舞台映えする長い手足。清楚な雰囲気も魅力的だ。着物や日本舞踊、茶道など、日本文化が特に好き。本名の由来はオリオン座。その和名「鼓星」から一文字をとり、芸名には「鼓の響きのように、凛とした舞台人に」と願いを込めた。今は1日12時間稽古に打ち込む日々。休日も自主的な稽古や体のメンテナンスに余念がない。「全国を凱旋できる、和の似合う男役になれるように頑張りたい」と、目標を見据える。

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