小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記
公開日:2023.10.28
菊づくりの愛好家団体「小田原清香会」の会長を務める
平川 武士さん
南足柄市在住 71歳
一生懸命は「花開く」
○…小田原城を鮮やかに彩る秋の風物詩「菊花展」。小田原市観光協会との主催で、今年で73回目を迎える。花の生育は猛暑の影響で、全体的に遅れているというが「多くの方に楽しんで欲しい」と、自宅で毎日欠かさずに手入れをするおよそ100点の菊を、いとおしそうに見つめる。
○…山口県下関市出身。戦後両親は水産加工業を営み、「工場でさばく姿をみていた」。家庭教師の大学生が息抜きで釣りに連れ出してくれことが少年時代の思い出の一つ。父の勧めもあり、商業高校の進学コースに進んだが、3年生になるころに父が病死。「何のために勉強をしているのか考えた」。熟考して就職を決意し、卒業後は都市銀行へ。「母にはぎりぎりまで伝えていなかった」と振り返る。
○…菊との出会いは40代後半のとき。熱心に栽培している顧客と共通の話題を持ちたいとの思いで始めた。「今でもその方からの『お天道様は嘘つかねえよ』という言葉は頭の中にある」。一生懸命やれば報われると独学で取り組んたが、技術向上を求めて25年ほど前に菊花展会場を訪問、清香会に入会した。
○…栽培に対してハードルの高いイメージを払しょくするため、初心者向けの講習や訪問アドバイスなどの試みを重ねて今年度は新たに5人がメンバーに加わった。今年4月から会長に就任し、「自分は将来のためのつなぎ役。みんなが栽培に専念できる体制を整える潤滑油になれば」と穏やかな口調で話す。現在はゴルフ場に勤務しながら「菊70%、釣りやゴルフが30%」の生活。旅行のタイミングも栽培シーズンが終わる冬から春先に行くという徹底ぶり。転勤族で負担をかけたという妻との暮らしを大切にする日々。孫たちの成長も楽しみにしている。
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