南足柄産の早咲き桜「春めき」が、本州を離れ屋久島へ渡った─。
南足柄市岩原で「春めき」を生産する古屋富雄さん(62)に今年夏、熊本県北部の菊陽町からとある依頼が舞い込んだ。その依頼とは、同町が、姉妹都市の鹿児島県屋久島町に「春めき」を贈りたい、というもの。両町の交流は今年、締結から20周年を迎え、その記念樹として「春めき」に白羽の矢が立った。
菊陽町総務課によると、同町には2005年に富士フイルム九州株式会社の本社工場が進出し、敷地内に「春めき」が植えられている。隣接する町の公園にも5年ほど前に「春めき」が植えられ、ソメイヨシノの開花より数週間早い3月上旬に開花。桜まつりなども開催されている。
古屋さんは「沖縄では春めきが開花しないため初めは心配したが、屋久島の北部ではソメイヨシノや大島桜が咲くとのこと。開花を促す寒さもあるので来春には花が咲くと考えていい」と話している。
10月24日に塚原のほ場から発送された「春めき」の苗木20本は、同27日に屋久島に到着。11月25日に両町長らが出席する植樹式に備えている。
菊陽町では町の木に「杉」を制定。屋久島とは「杉」が縁で1994年に姉妹都市を締結した。菊陽町の人口は約4万人。「春めき」は屋久島東部の健康の森公園に植樹されるという。
古屋さんは先ごろ、変異種として発見した早咲きの菊を「秋告菊」として品種登録したばかり。菊陽町の花は「菊」だということで来年6月ごろに「秋告菊」を贈りたいとしている。
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