神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
足柄版 公開:2022年7月30日 エリアトップへ

郷土研究の全国大会で発表 「幻の駅弁鮎寿司」を調査

社会

公開:2022年7月30日

  • X
  • LINE
  • hatena
歴史研究部メンバーと桐生顧問(後列右)
歴史研究部メンバーと桐生顧問(後列右)

 足柄高校の歴史研究部(桐生海正顧問)が8月5日に戸塚公会堂(横浜市)で開かれる全国高等学校社会科学・郷土研究発表大会に出場する。研究テーマは「幻の駅弁鮎寿司を追う」。明治時代に山北駅で販売されていた地元の名物についての調査をまとめた。

 鮎寿司は、塩と酢で締めた鮎に酢飯を詰めたもの。酒匂川上流で獲れた鮎を使用するのが特徴という。国府津から山北を経由して沼津を結んでいた、当時・東海道線の山北駅で、1898(明治31)年ごろから販売を開始。製造中止となる1939(昭和14)年まで名物駅弁として一時代を築いた。

 テーマは、同部の鈴木諒太さん(3年)が小学生の時に抱いた興味から。絵本で見た山北町の機関車や授業で聞いた話など、「鮎寿司」の単語だけを頼りに、史料や参考文献を探し求めて5カ月間ほど調査し、論文にまとめた。祖母から鮎寿司に詳しい地域住民を教えてもらうと、2回の聞き取りも実施。資料に記載のない新聞や写真を見せてもらい掘り下げた。

 調査によると、福沢諭吉が山北駅で2回購入していたことや黒田清輝には不評だったことが分かったほか、鮎寿司の歴史は山北駅の盛衰に密接していることを学んだという。

 また町おこしの一環として山北町商工会女性部が90年に鮎寿司の販売を行ったと知り、鈴木さんは「著名人も食べた鮎寿司の歴史を後世に」と思いを重ねた。

総合力で全国へ

 同部は昨年11月の県高等学校社会科研究発表大会で同テーマを発表。研究発表部門で2位に相当する私学理事長賞を受賞した。鈴木さんの論文をもとに3年の菅野日菜さん、2年の森山元陽さんと秋山七海さん、三留優逢さんの4人がプレゼンテーション用のスライド作成を担当。総合力で審査員の評価を押し上げ、桐生顧問は「歴史学と民俗学の両面で素晴らしい内容を見映えよく仕上げた」と称えた。全国大会に向けて高橋一星部長(3年)は「鮎寿司の歴史を大勢に広く知らせたい」と話していた。

同部がまとめた調査結果の一部
同部がまとめた調査結果の一部

足柄版のトップニュース最新6

「健康」でライザップと協定

開成町

「健康」でライザップと協定

医療費抑制などを期待

4月20日

開成・大井で「移行」始まる

中学校部活動

開成・大井で「移行」始まる

足柄上エリアの状況調査

4月20日

仁王門100年ぶり修繕

延命寺(松田町)

仁王門100年ぶり修繕

開山550周年事業で

4月13日

「のるーと足柄」利用1万人

松田町

「のるーと足柄」利用1万人

運行開始から半年

4月13日

学習机の天板、町産材に

山北町立川村小

学習机の天板、町産材に

「町の林業身近に」

4月6日

車両損壊等が連続発生

松田署管内

車両損壊等が連続発生

3月末に被害が集中

4月6日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月20日0:00更新

  • 4月13日0:00更新

  • 4月6日0:00更新

足柄版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月20日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook