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足柄 文化

公開日:2023.04.29

42年の歴史に幕
南足柄市の点訳グループ

  • 点字盤と針を使った点訳を続けてきた

  • 点訳された市の広報誌と社協だより

 南足柄市で広報誌や社協だよりの点訳を行ってきたグループ「青いぶどうの会」は4月10日の総会をもって42年間にわたる活動を終了させた。市内で点字の広報誌を希望していた視覚障害者へ点訳した広報誌を届けていたが対象者が死去、または市外へ転居し、広報誌の点訳を希望する視覚障害者が市内にいなくなったことが解散の主な理由だ。会員の一人は「読んでくれる方がいたからこそ続けてこられた」と思いを語る。

 1978年に市が開催した点字の講習会の受講生らが集まり、市の広報誌を点訳したのが会発足のきっかけ。80年に「青いぶどうの会」としての活動をスタートさせた。以降は広報誌が出ると点訳する情報の取捨選択から点訳、校正まで1週間で仕上げ、対象者に届けてきた。会の歴史の中では広報誌以外にも、電車の時刻表やごみ収集の予定表を作成し対象者に届けたほか、小田原市で開催された盲人マラソンに赴き、表彰状を点訳したことも。また、南足柄市内の小中学校から依頼を受け、福祉教育の一環として点字の体験講座の開催も毎年行ってきた。

 活動終了の背景には時代の変化もあった。「最近はパソコンと専用のプリンターで点訳ができる。また、音声技術の発展で点訳を必要としない視覚障害者が増えた」と同会会員。点字盤と針を使い、手作業での点訳に苦労しつつも楽しんで活動を続けてきたという。「良い仲間に恵まれ、楽しく活動ができたので、無理なく続けることができた。活動終了は残念だけど悔いは無い」と晴れやかな笑顔を見せた。

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