足柄 社会
公開日:2023.09.23
南足柄に営農型太陽光発電
8月から稼働始まる
太陽光発電システムなどの事業を手掛ける株式会社ナカイシステム(中井町遠藤)が、南足柄市内に県内最大級のソーラーシェアリングを施工し、8月から稼働している。ソーラーシェアリングは、営農を続けながら太陽光発電を行う設備のことで、再生エネルギーの普及のあり方としても注目されている。
ナカイシステムが施工したのは南足柄市広町の湯山澄夫さん(70)の農地。面積は1671・05平方メートルで設置されているソーラーパネルは582枚に及ぶ。天候等に左右されるが、一般家庭約50件分の電気量を発電できるという。
湯山さんはもともと、情報誌の印刷出版を行う会社を経営していたが、昨年4月に印刷業を閉業。新しい事業を考える中で、もともと野菜を育てて社員に配るなどしていた農地と、印刷機などを置いていた工場のスペースを生かしたワイナリー構想を打ち立てた。
計画のひとつとして、再生可能エネルギーで事業に必要な電力をまかない、売電した売り上げは従業員の給与に補填しようと、ソーラーシェアリングを導入。圃場の整備はこれからだが、「ソーラーパネルを導入する際に義務付けられているフェンスが、結果的にイノシシやシカなどの獣害予防にもなるなど、効率よく農業を続けられる良い気づきがあるのでは」と湯山さんは期待する。
「村」構想も
湯山さんは3年程前からグレートピレニーズという大型犬の飼い主たちが集う「村」づくりにも取り組んでいる。近隣にはすでに3家族が暮らしており、大型犬ならではの遊ぶ場所の確保や高齢になったときの散歩など心配ごとを共有している。湯山さんは「ワイナリーなら犬を連れて出勤できるし、フェンスの中で犬も動き回れる。ソーラーシェアリングのある新しいライフスタイルを模索したい」と話す。
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