現在建替え工事が進められている歌舞伎座(東京都)の舞台や花道の材料に、秦野産の檜(ひのき)が使用される。日本を代表する伝統芸能の殿堂、文字通りの檜舞台で、地元産の木材が今後何十年にもわたり歌舞伎役者の演技を支え続けることになる。
歌舞伎座に納められる木材の原材料は、諸戸林業(株)(本社/三重県)が市内丹沢寺山で管理する山林から切り出された樹齢100年を超える檜だ。
歌舞伎座の舞台用の材料は特殊だ。サイズは、一般住宅用よりも大きい長さ約4メートル、巾約20センチ、厚みが約4センチの板材で、観客席から見て統一感があるように均一な木柄(色・木目)が求められる。
また演者の足腰への衝撃を緩和するために、実(さね・板と板との継ぎ目の突起)が無く、あえてたわむような設計になっており、強度も必要だ。照明の強い光や劇場内の乾燥した空気などにも耐えなければならない。
そのうえ、納品する板材は約3000枚。現在では国内でそれだけの品質とボリュームの材料を確保するのは容易ではない。
同社では、今回の材料を生産するために1300本弱の檜を用意。昨年11月から今年1月にかけて切り出しを行った。
同社執行役員の中野敦之さんは「今回選ばれた檜は、同じ時期に、同じ兄弟の苗木を、同じ間隔で植え、枝打ちも同時期に行っている。管理も行き届いており品質も担保できる。そういった点が評価していただけたのでは」と話す。
切り出された檜は、枝葉を付けたまま山中で乾燥させる「葉枯らし」の工程を3カ月ほど経て、三重県と神奈川県内の工場で大まかに製材。現在は三重の工場で、来年中ごろに予定される出荷時期まで、天然乾燥が行われている。じっくりと時間をかけて含水率を下げる天然乾燥は、機械乾燥と比べ色・ツヤ・香りが良い材料に仕上がるという。
中野さんは、「(歌舞伎座で使用されることは)生産者として、一番良い部分を最大限評価していただいた。ただ生産された木材は地元でも流通しており、地元の家で使ってもらったら生きる部材もあります」と、身近な材料としても感じてもらいたいとの考えを示した。また「歌舞伎座に出荷する前に、最後のひと手間として手鉋(かんな)による仕上ができたら良いですね」と希望を話した。
歌舞伎座の竣工は、平成25年春が予定されている。
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田原ふるさと公園野菜直売研究所0463-84-1281/そば処東雲0463-84-1282 https://www.kankou-hadano.org/pointinformation/pointinformationguide/point_tawarafurusatokouen.html |
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