市内戸川在住の(株)角貝工務店社長・角貝一行さん(58)が、平成23年度優秀施工者国土交通大臣顕彰を受賞した。都内で9月15日、顕彰式典が行われ、受賞者に記念徽章などが贈られた。
同顕彰は、建設業者団体や都道府県等から推薦された者の中から、「技術・技能が優秀である」「後進の指導・育成に努めている」などの基準に照らし、国土交通大臣が受賞者を決定する。受賞者は「建設マスター」と呼ばれる、卓越した技能・技術を有する建設産業の最高峰の技能者とされる。大工、鉄筋工、タイル工ほか建設産業の50以上の職種が対象で、今年度、県内在住の受賞者は21人。その内で「大工」は角貝さんを含む4人だった。
市内で唯一の受賞者となった角貝さんは職歴42年の大工。現在も、経営する工務店の棟梁として現場の最前線で腕を振るう。
角貝さんは出身地の群馬県榛名町で中学を卒業後、親戚のいる秦野へ。鶴巻の山口工務店で大工の修行が始まった。「あの頃は、学歴は無かったけれど自分の仕事を極めようと常に勉強していた。まだ極めてないけどね」と笑顔を見せる。
当時現場では、昼食や休憩時のわずかな時間も惜しんで専門書や資格試験の参考書を読みふけったという。
周囲の職人もあきれるほどの猛勉強振りで、同時期に入学した職業訓練大学の通信教育課程では、3年課程の単位を1年間で全部取ってしまったという逸話も。その後も独学で勉強を続け、これまでに1級技能士、2級建築士、建築科職業訓練指導員ほか多くの資格を取得している。
技術を磨くために、積極的に競技会等にも参加し、全国技能競技大会2年連続入賞など実績も残している。技術への探究心はいまだ衰えることなく、昨年春には秋田県で開催された全国レベルの大会に単身乗り込み、若手職人にまじり課題に挑戦。見事に特別敢闘賞を受賞した。
また後進の育成にも取り組み、国交省支援プロジェクト「大工育成塾」の指導棟梁として、長年培ってきた技術や知識を若手職人に伝えている。
角貝さんは「今まで仕事で嫌な思いは一度も有りませんでした。今回の栄誉は非常に嬉しく、皆様に長年仕事をさせていただいた賜物と深く感謝いたします」と話した。
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