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公開日:2012.01.14

今春スギ花粉 昨年の3分の1
花粉対策に秦野発祥苗の「田原1号」移植も

  • 現在県自然環境保全センターに移植されている無花粉スギの苗木(昨年)

 2012年春の県内スギ花粉飛散量は「例年より少なく昨年の3分の1程に減少する」との予想発表が昨年末、県自然環境保全センター(厚木市)から発表された。



 花粉の飛散量は、県内4地域のスギ林30カ所で調査する。県北西部6調査地の内3カ所が秦野市で、三廻部2地点と羽根がその対象となっている。



 調査は各調査地から40本ずつ抽出し、1本ごとに花粉を出す雄花の蕾を計測、その値を元に平均点数を算出する。雄花が色付き始める11月中旬に行われた調査の結果、今春の県内平均スギ花粉飛散量は、例年の約半分、2011年の3分の1以下になるとの予測が発表された。



 秦野市の着花状況に関して同センターは「天候の変動などを考えると平均的な値と考えられる」と話した。



 一般的にスギ花粉は、花粉が飛散する前年の夏期の気象条件と関わりが強いとされている。高温少雨で日照時間が長い、いわゆる「猛暑」の際、特に花粉量が増す傾向があるという。



 昨年の夏も同傾向の天候だったが、調査が開始された1997年度以来最大となった昨年の着花量の影響で、雄花への栄養分供給が不足したことが今回の数値の理由ではないかと同センターは分析している。



 同センターは花粉対策として「花粉の少ない・出ない品種」の選抜、開発を進めている。



 2004年の春以降県内に出荷されたスギの苗木は全て花粉の少ない品種だが、一昨年行われた第61回全国植樹祭では更に改良が進められた「無花粉スギ」が植えられた。



 無花粉スギは、花粉を飛ばさない雄花を咲かせる品種で、花粉の少ない品種を改良する中で一定の確率で見付かるものだという。



 この植樹祭で植樹された無花粉スギは「田原1号」と呼ばれるスギから育てられた苗木。田原1号は2004年、市内東田原にあった同センター試験場の888本のスギの中から1本だけ見付かったもので、現在も改良が進められている。

 

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