市内本町在住の写真家・野崎悠さん(34)が、新鋭写真家の登竜門と言われる写真コンテスト「キヤノン写真新世紀」で、全国1723人の中から佳作に選出された。作品は10月29日から東京都写真美術館で展示される。
同コンテストに初めて応募し、佳作を受賞した野崎さん。応募作品は12点、太陽に照らされ虹色に光るクモの巣の様々な姿を撮影した。「空気、音、香りや感情…。目に見えないものを写真に収めたい」という想いがあり、その中で目を付けたのが、光の表現としてのクモの糸だった。「写真家になった7〜8年くらい前から撮り続けている」と話すように、現在でも自身が追い求め続けるテーマになっている。写真家となって1〜2年が経ったころに、都内を歩いていたときのこと。人の波がクモの巣のイメージと重なった。「十人十色というように、人はそれぞれ違うもの。ファインダー越しに見たクモの巣が光る様子に、命そのものを感じた。肉体とかではなく、クモの巣を通じて命そのものの美しさを写真に表現したかった」と、タイトルを「光のポートレート」とした。今回応募したきっかけも「このコンテストなら抽象的な写真も評価されるのでは」と感じたから。しかしこれまで著名な写真家が受賞してきたコンテストで、「自分の作品が入選するとは、まったく思っていなかった」と驚いた。
今回の受賞者(優秀賞7人・佳作14人)の作品は、10月29日から11月20日まで、東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内)で展示され、29日午後2時からはアーティスト・トークとして野崎さんも感想などを話す予定。
独学で学んで写真家に
愛犬の成長記録を残そうと、アルバイトして初めてデジタルカメラを買った。愛犬撮影ライフを楽しんでいたあるとき、一枚の写真に驚いた。「うちの子が見たことない表情をしていたんです」。それまで目で見えているものがすべてだと思っていた考えが崩壊した。「写真は自分が知らなかったことを表現してくれる」。それから独学で写真を学び、プロの道へ進んだ。
これまでにも日本写真家協会展ほかのコンテストで数々の受賞歴を持つ。昨年には京都の清水寺の重要文化財「経堂」で、流水紋作家の重富豪氏とのコラボレーションによる展覧会を行うなど、作品を発表している。同時に七五三や結婚式などの出張撮影なども手掛けている。「将来的には、秦野で個展をしたり、仕事を手掛けるなど、地元に貢献したい」と話した。
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