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秦野 人物風土記

公開日:2017.03.11

12年間務めた「広畑ふれあい塾デジタル写真教室」の講師を3月末で引退する
野川 明美(あきよし)さん
渋沢在住 77歳

穏やかな情熱カメラマン

 ○…「受講している生徒の皆さんに写真の楽しさやおもしろさを伝えてきた」。2005年から12年にわたり講師を務め、これまでに教えてきた生徒は約300人を数える。「ピントや構図が合っていること、色を調整することが大事だということを教えてきました」と真剣な眼差しで語る。

 ○…1940年、箱根町に生まれる。後に太平洋戦争が始まり、日本各地で食糧難に陥る中、「裏山にぶどうや山菜ができていてよく採りに行っていた。あけびができたら木に登って採っていましたよ」と笑う。中学時代は陸上部に所属。3キロや5キロなどの長距離を走った。中学卒業後は運送会社やタクシー会社の事務員、ハイヤーの運転手などの仕事をしたのち、自動車のキャブレターを製造する会社に就職。「薪ストーブを使って出た蒸気で動かす車を知って、興味を持っていた。仕事を通して組み立てや設計などの部署に友人が多くできたことで、楽しく仕事をさせてもらった」と笑顔を浮かべる。職場内に釣り好きな人がいたことがきっかけで、休日になると様々な場所に鮎などを釣りに行った。「朝4時ごろには出発して、神奈川県内だけではなく静岡や新潟、奈良にまで行ったこともありましたよ」とほほ笑む。

 ○…退職後、妻と一緒に北海道から九州まで出かけ、写真撮影の旅をした。マイカーの総走行距離は20万キロを超える。「体の続く限り、写真の魅力を伝えていきたい。様々なコンクールや大会で賞を取ることよりも、今そこにある風景を撮ることを楽しみたいんです」と語る。「カメラは健康器具。写真を撮りに様々な場所を歩くから健康でいられるんだよ」としみじみ。現在の楽しみは、昨年の高校総体や国体の陸上女子400メートルで優勝した孫の活躍を見ること。「ゴールした瞬間を写真に収めたかったが、興奮してそれどころじゃなかったよ」。そこには祖父の表情があった。

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