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秦野 人物風土記

公開日:2017.08.04

自然体験の場「千村の名水 サワガニの里」を作った
小野 薫さん
千村在住 61歳

「のびのび遊んで欲しいだけ」

 ○…荒廃地3800平方メートルを整備し、自然体験の場「千村の名水 サワガニの里」を作った。毎朝点検に赴き、固い石や枝が出ていないか確認。「大いに遊んで欲しい」と想定外の遊び方も極力禁止せず、子どもたちの遊び方を見ながらより安全性が高まるよう斜面を緩やかにするなど改良を繰り返している。「遊び方は一人ひとり違って面白い。子どもも大人も多くの人がここへ来て、四季折々の自然を楽しめるような場所になってほしいね」

 ○…「最近の子は自然の中でのびのび遊べないって聞いたからさ」。2016年の春から朝と晩に自宅裏の荒廃地へ出かけ、鎌やチェーンソーなどを振るうようになった。サワガニが棲む小川の回りの竹や木を間伐して歩きやすいよう地面の石を丁寧に取り除き、手作りの遊具やベンチも設置。近くの水源から湧水も引いた。今年3月に近所の児童を招待してから、人気のスポットに。汚れたり蚊に刺されたりしながら、それを気にすることなく思う存分遊ぶ子どもたちの姿を見守りながら、「洗濯するおうちの人に申し訳ない」と困ったように笑う。

 ○…千村の農家に生まれた。高校卒業後親元を離れ名古屋で自動車製造会社に勤務、全国各地から集まった同僚たちと寮生活を送った。2年後に秦野へ戻り、小田原などの自動車整備会社で仕事の経験を積み、独立。「学校で習った事は現場で当てはまらない。どうしたらお客さんが相手にしてくれるか悩みながらやってきたよ」と振り返る。

 ○…店を訪れた人が自営業をしながら畑を耕していると知り、草が生い茂っていた自分の土地で畑を始めようと思い立った。時間を見つけてはコツコツと手を加え、現在では見違えるほど美しい里山風景に。自分で育てた蓮やマコモダケを出荷している。「わかんない、できないって言うのが嫌いでね。難しいことも突破すれば財産になるから」と言い、にかっと笑った。

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