国内全てのサービス提供事業者を対象にした日本サービス大賞の発表・表彰式が6月28日に行われ、鶴巻温泉の(株)陣屋が自社開発したクラウド型旅館管理システム「陣屋コネクト」が総務大臣賞を受賞した。
日本のGDPと雇用の約7割を占めるサービス産業。サービス大賞は多種多様なサービスを共通の尺度で評価し、「きらりと光る優れたサービス」を提供する事業者を表彰しようと、創設された。サービス産業生産性協議会が主催し、第2回目となった今年は全国から約400件が応募。内閣総理大臣賞など9部門で18事業者が表彰された。
総務大臣賞を受賞した「陣屋コネクト」は、同社が独自に開発したクラウド型旅館管理システム。2009年、苦境にあった旅館経営を立て直すため、前社長の宮崎富夫氏が社長に就任。大手自動車メーカー研究所のエンジニアであった宮崎氏が心血を注いで作り上げた。
システムはまず膨大な顧客情報をデータ化し、予約受付のオペレーターから厨房の料理人、客室担当者などがスマートフォンやタブレットを持ち、情報を共有化。情報が瞬時に全従業員に伝わることで、サービスの質、生産性が向上した。経営情報なども見える化したことで、驚くことに同社には経理部が存在しないという。
システムの導入で10年前には従業員が120人だったが、現在では45人で回すことができるようになっている。社員の平均年齢も45歳から30歳になり、平均年収もアップし、離職率は何と3%というから驚く。16年1月からは週休3日制も取り入れられている。
同社のこのシステムはすでに全国の300社を超す施設で導入されている。また、様々な旅館と協力し、食材や労働力を融通し合う「JINYA EXPO」も展開していくという。同社の代表を務める女将の宮崎知子さんは「取り組んできたことが評価されて嬉しい。業界の活性化に取り組み、旅館を憧れの職業にしたい」と話した。
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