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秦野 人物風土記

公開日:2020.06.12

5月16日付で秦野市スポーツ協会副会長に就任した
石井 隆士さん
弥生町在住 65歳

中距離界のレジェンド

 ○…1500m走で1977年に出した日本記録3分38秒24は、2004年までの27年間破られなかった中距離界のレジェンドだ。2017年から秦野市スポーツ協会評議員を務めて、副会長に就任。「今後はさらに子どもたちの成績を伸ばしていけるよう指導者を増やすことに力を入れていきたい」と意気込む。

 ○…西小・中出身。小3〜6年の間、校内マラソンではずっと1番。「父親と家の近辺を走っていたから、速かったのかな」。その父を小学生の時に亡くし、中学の担任に支えられたことが人生の道を決めた。秦野高、日本体育大と進み、秦高の保健体育教諭に。11年務め、日体大に移り現在も教授と陸上部顧問を務めている。休みはほとんどないが「大学生の若さから元気をもらっている」とにっこり。

 ○…1番印象に残っているのは、大学4年時に出場した第53回箱根駅伝。1区を走りスタートから独走。そのまま日体大が他校に並ばれることなく1位をキープし続け優勝を果たした。「日本記録を出した世界大会も印象深いが順位は5位。駅伝では順位も記録も1位でより記憶に残りました」と目を細める。

 ○…「練習量と質は1番」という自負が首位を守り続ける強さとなった。やりがいにつながったのは、陸上が好きなことに加え母の言葉も大きい。「苦しい生活の中でも成績を残すことで元気をもらえていると言ってくれた。それがエネルギーになっていた」

 ○…妻も3人の子どもも陸上競技者で「家族であり教え子」と笑う。夢は教え子をオリンピックに出すこと。自身はモスクワ五輪のタイミング等で出場が叶わなかった。「これまでの恩返しをしていきたい」と熱い眼差し。今後も陸上人生を駆けていく。

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