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秦野 人物風土記

公開日:2022.01.28

広畑小学校で卒業制作を指導した
和田 吉美
陶芸家 下大槻在住 73歳

今を大切に 創作続ける



 ○...広畑小学校で卒業制作の陶芸指導に携わった。「土は地球からのプレゼント」――。何億年もの時間を経て作られる「土」ができるところからレクチャーしたという。「とにかくみんな熱心に一生懸命取り組んでくれた。何もないところから自分で作品を作れたということは大きな喜びだと思う」。菩薩のような笑みが美しい。



 ○...自身の子も広畑小の卒業生。同校の柏木校長が当時の担任だった。そのきっかけで、今回の指導依頼を受けた。「年齢的にも子どもたちの指導はちょっと大変かなと思ったけれど、柏木さんに頼まれたらことわれない、ね?」と同意を求めるような笑みにこちらも思わずうなずく。「とても楽しかった」ともらした、ただひと言の感想から喜びが伝わった。



 ○...少女時代は地元・神戸の白鶴美術館に通い詰めた。この美術館で出会ったのが中国北宋時代の「龍文梅瓶」。白地に黒一色で施された生命力あふれる龍文様。生きるとは何か?を模索し、すがるような想いで生きていた少女時代に出会ったこの作品が、陶芸家としての原点となった。京都の芸術大学へ進み、卒業後は模索しながら作家活動をつづけた。



 ○...何時間でも居座ってしまいそうになる、居心地の良いアトリエ、作陶を続けながら教室を開いて35年。「環境に恵まれて」と周囲への感謝を伝える。自宅に並ぶ作品はシンプルでかつ力強い。個展に出した作品は評判が良くても再び出展しないという。それは「今、このとき感じたことを大切にしたい」から。今回「子どもたちが自由に作っているのを見て刺激を受けた」という。「真実・命、カタチにならない何か、人間の存在を超えた何か」を表現することに挑戦し続けている。

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