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秦野 人物風土記

公開日:2023.01.27

約200人が支援登録をしている「フードバンクはだの」を立ち上げた
福嶋 秀樹さん
名古木在住 52歳

貧困家庭の深刻化に危機感

 ○…始めたきっかけはコロナ禍。東海大学駅前で不動産業を営むが、職業柄部屋を貸している学生の生活が見えていたため、危機感を抱き2020年8月に立ち上げた。根底にあるのは、経済的な困窮を経験したことがある幼少期の記憶。この時、周囲の人たちのおすそ分けに助けられ、「今度は自分の番」と自然と体が動いたという。

 ○…フードバンクはだのは、3・11がきっかけで始めたボランティアを発展させた活動「南相馬子ども保養プロジェクト」が運営する。当初はプロジェクト支援者からの寄付中心、窓口も自社のみだったが今では秦野駅・渋沢駅エリアに窓口の協力店ができ、市内を中心に企業・個人・団体の支援者も増えた。計画は順調で「あと2カ所窓口を増やしたい。将来的には災害時の食料提供ができるような組織にしたい」と展望を語る。

 ○…和歌山県生まれ。2人の子どもの父。小2の1学期まで小田原で過ごし、父が松屋不動産を開き秦野に。大根小・中、秦野高校、駒澤大学から不動産会社勤務を経て家業に戻り、会社を継いだ。各地の災害ボランティアや養護学校のボランティアへの参加や、過去には子ども向けのサッカー教室を主催するなど「子どもの笑顔」を原動力に精力的に活動する。

 ○…「コロナ禍以上に、物価高騰が続く今の方が深刻度が増していると感じる」と危機感を募らせる。中には市外から訪れる人もいるという。「コロナ禍の自粛による人間関係分断で、誰に頼ればいいかわからないという人が増えているのもあるのでは。取り組みをもう一段発展させるには、窓口まで来られない人の元にどうやって届けるかが大きな課題。今後は行政や社会福祉協議会との協力も視野に入れていきたい」と話した。

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