秦野湯の沢団地自治会が11月10日、地域の防災訓練を兼ねた「共助親睦の芋煮会」を湯の沢自治会館で初めて実施した。これは実行委員会(籔田佳宏実行委員長)を組織し行った自治会独自の取り組みで、地域の防災意識向上やコミュニティー形成を目的としている。
台風10号の影響で、例年市が行っている総合防災訓練が中止になったことがきっかけで行われた芋煮会。夏祭りに代わる防災訓練を兼ねた催しで、炊き出しやテント設営を体験しつつ食事を取りながら住民同士コミュニケーションを図った。
背景にあるのは地域の高齢化と、それに伴う自治会員の負担増による催しの減少。これに加え一時避難場所が2つに分かれたことで総合防災訓練時に自治会員が一堂に会する機会がなくなり、コミュニティー力の低下が懸念されていた。
これらを解決するため住民にアンケートを行ったところ、近年の激甚化する自然災害を鑑み「防災を絡めた催しはどうか」という意見が上がっていた。総合防災訓練中止を機に、一期会(規模を縮小したかつての夏祭り)と、同様に縮小傾向にあった市の総合防災訓練時に行っている自治会の防災訓練を合わせた独自の取り組みを実施する運びとなった。
当日は防災備品確認だけでなく、美化清掃で集めた枝を薪として活用し作った芋煮や羽釜炊飯のおにぎり、テント設営などを全員参加型で実施。薪の炊飯が案外難しいこと、大人数の鍋はガスより火力が強い薪の方が作りやすいこと、どんど焼き用に清掃で集めた枝がいざという時に役立つことなどを学んだ。
一方、「今回は芋煮に冷凍食材を使ったが、訓練の意味では生の食材の方がいいのではないか」「テント設営しやすいよう番号を振って組み立てやすくするなど工夫が必要」「参加したくてもできない高齢者のことも考えた運営が必要」などの課題も出た。
「いざという時、協力が必要という共通認識が生まれたし、新しい住民の参加もあったのでやってよかった。今回の経験を生かし今後も続けていきたい。この取り組みが市内の他の自治会にも広がってくれたら」と同自治会では話している。
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