秦野市は末広小学校の体育館に7月1日から来年3月31日までの9カ月間、実証実験として体育館向け空調システムを初めて設置する。設備を導入した効果や、ランニングコストなどを踏まえ検証していく。
現在、秦野市の小中学校22校(小学校13校・中学校9校)の体育館には空調設備がなく、夏場はスポットクーラーや扇風機を使用して熱中症対策を行っている。
国も学校体育館への空調設備の設置を推進しており、近隣自治体では厚木市が昨年度から小中学校体育館への冷暖房設備の設置を進めている。
授業の熱中症対策や避難所運営に必要性
今回の実証実験は、市内に空調設備の製造拠点を有し、2023年に市と災害協定を締結している新晃工業株式会社(末永聡代表取締役社長)の提案により実現。体育館は小中学生の活動場所であり、災害時に避難所となることから空調設備の必要性を認識していた秦野市が、申し出を受け入れた。
末広小学校に設置されるのは、同社の新製品である体育館向け空調システム「そよ風アリーナ」。空調機本体は屋外設置で、体育館内に設置スペースをとらない。専用吹出口は素材が柔らかくボールなどが衝突した衝撃で破損する心配がなく、吹出口全体から染み出す空調で気流が穏やかなどの特徴がある。
9カ月間の実証実験では、機器を導入した際の空調効率やランニングコストを検証。秦野市教育総務課は、「検証によって光熱費や断熱材工事の必要性などコストが分かり、事業費の精査ができる。空調設備の導入は前向きに考えているが見切り発車とならないよう慎重に検討していきたい」と話す。
同社と市の覚書では、実証実験終了後そよ風アリーナは撤去されることになっている。同課は「良い効果が得られた場合、資源を活用するため引き続き使用できるよう企業と協議していきたい」と話す。
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