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公開日:2025.07.11

外国ルーツの児童生徒支援
日本語教諭が各校巡回

  • 授業中の大橋教諭(左)とグエンさん

 日本語未習得の状態で転入してくる外国にルーツのある児童・生徒を支援するため、秦野市は新たに巡回方式の日本語支援教室を開校した。1校あたり約2週間の派遣期間で、秦野市国際理解教育コーディネーターの教諭が日本語特化の授業を行う。この取り組みは県内初。

 外国にルーツを持つ児童・生徒が5人以上いる学校で国際教室を開校している秦野市。国際教室のニーズは年々高まり、現在市内の小中学校22校(小学校13校・中学校9校)のうち、小学校10校・中学校6校に国際教室が設けられている。

 専門教諭による巡回方式の日本語支援教室は、大根小学校・中学校をモデル校として5月19日に大根中学校で初めて実施。授業は、大橋美沙教諭が主導する。

 大橋教諭は、外国籍の児童が7割を占める愛知県知立市の小学校で2年間日本語支援の研修を重ね、秦野市から「国際理解教育コーディネーター」の認定を受けている。児童・生徒は、大橋教諭から別室で集中的な個別日本語指導を受けるとともに、段階的に学校生活に適応できるよう在籍学級で一緒に学ぶ時間も確保されている。

授業は会話形式

 6月27日には、今年4月に大根中学校に転校してきた中学2年生のズオンゴックバオ・グエンさんが大橋教諭から授業を受けた。この日は、1時間目から4時間目まで個別授業で、「数学」「日本語」「漢字」「日本語」の時間割となった。

 2時間目の「日本語」では、実践的な日本語スキルに焦点が当てられた。助詞の「は」についての説明から始まり、好意の度合いの表現「大好き」「まあまあ好き」「嫌い」の使い分けなど、会話形式で授業を実施。大橋教諭は、犬、猫、パンダなどの絵が描かれたカードを使い、グエンさんに「猫好き?」など質問。グエンさんはそれぞれの質問に回答した。その後、疑問詞の「何」についても学習。今度はグエンさんが質問者となり、国際教室の教諭などに「何が好きですか」と尋ねて会話した。

「習得レベルの見極めが大切」

 大橋教諭は自身の指導方針について「視覚的に分かりやすく、言葉数を少なくするよう努めています。生徒によって言葉の習得状況が異なるので、見極めが大切」と話す。グエンさんは「日本語は難しいけれど、先生たちはとても優しい。友達もできた。もっと話せるようになりたい」と学習に意欲を見せる。

 秦野市は今後もこの支援を継続し、各学校の国際教室担当教諭や関係職員の研修など、国際教室担当者のスキルアップを図る予定だ。

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