関東地区の高校生将棋ナンバーワンを掴んだ 丸川 友幸さん 慶応高校2年生 17歳
”読む力”蓄え、前進していく
○…「まさか優勝できるとは」。昨年末、関東地区の高校生将棋ナンバーワンを決める「関東地区高等学校文化連盟将棋大会」の頂点に立った。「これまで他の大会でも良くても2位。なかなか優勝できなかったので、本当にうれしい」と照れながら笑顔を見せる。「適度な緊張感を保てたのが勝因です」
○…同大会の決勝戦の相手は中学時代から、同じ将棋クラブで技を競い合ってきた親友。「互いに手の内を知り合っている仲なので、やりづらかった。初対戦の相手の方がいいです」と振り返る。”関東1”を競う盤上の戦いは、細かい戦術をもって挑んだ序盤戦を制し、20手先まで見ることのできる”読みの力”でねじ伏せた。「私が考える”勝つ将棋”は、セオリー通りの最善手を打つことではなく、相手の予想外の手を打つことです」。持ち前の高い集中力の勝利だった。
○…将棋に出会ったのは小学2年生の頃。父親との遊びのなかで駒に触れた。「おもしろかったですね。徐々にのめり込んでいきました」。普段は、詰め将棋や、全国の強い相手と対戦できるインターネット上での対局で力を蓄える。「将棋は教わるものではないですから。集中するときは、3時間ぐらいの間、対局を続けます。でも、気まぐれなのでやらないときは全く指しません」。1つのことにのめり込むタイプと自己分析。新しいことへのチャレンジの方が難しいという。
○…「将来は博物館の館長になれればいいです」と笑う。プロ棋士になるには力が足りないと考えている。「私は臆病者なんですよ。心配だから、常に研究して前に進んでいく。将棋も他のことも」。常に答えを探していくのが好きだという。今月末、もうひとつの柱と位置づける、全国大会へ県代表として出場する。「心配性なので、前日に緊張して寝られないことが多い。体調を整えられれば自信はあります」。謙虚さの中に”芯の強さ”を垣間見せた。
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