緑園で教室「麗香書道」を主宰する山崎麗香さん。書道教室を開く傍ら、一風変わった字や花、風景などを描く「楽書」の普及活動を行う。新年を前に、来年の干支である「未」をモチーフにした作品に取り掛かっている。
山崎さんは、20年ほど前に緑園の自宅で習字教室を開いた。「細々と続けてきた」と控えめに話すが、周辺に住む小学生から高校生までを長年指導してきた。段位を目指して教室に通う生徒を教えながらも、「かしこまっている書道だけではなく、気軽に楽しい書ができれば」と感じ始め、今から10年ほど前に考えついたのが「楽書」だ。
とめ、はね、はらいなど、一画一画に意味があり、書の基本的な字形のとらえ方を学ぶ「楷書体」や楷書を崩した続き書きの「行書体」。そのような漢字の書体ではなく、楽書は字が持つ意味を考えながら、鳥や鶴、蝶などを思うままに崩して変形し、アクリル絵の具で色付けされるという作品だ。思いつくアイデア次第で作品ができるため、1つの作品を生み出すのに時間を要するが、常に心がけているのは、難しいことは考えないこと。上の作品は、来年の干支「未」の絵とともに、文字を変形させて角を表したものを描いた。
文字の意味考え、思うままに筆走らす
「書いて楽しい、見て楽しい」をモットーに掲げ、3年前には楽書をまとめた本も出版した。山崎さんは「作品を見た方からいただく『楽しい、おもしろい』と言う言葉が励みになる」と話す。作品がパッと明るくなると、近頃は完成した作品に金粉を撒く工夫もし、魅せる作品作りに余念がない。
年賀状用に、毎年干支にちなんだ作品を作る山崎さん。今回の作品は、平仮名で書いた「ひつじ」に尻尾を付けるなど変形させて「羊」に見立てたものや、七福神が乗る宝物を積み込んだ帆船「宝船」の作品。お金の堤袋や松竹梅の絵を添えて、「お世話になっている方々に、いいことが舞い込む一年になればと願って書いたもの」と思いを話す。
書道教室は自宅で月に3度、楽書は中川地区センターで月に2度教室を開いている。来年の5月12日から18日までの1週間は、テアトルフォンテで教室の生徒らの作品を展示する予定だ。「個性を発揮して、新しいもの新しいものを描いていきたい」と話した。
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