神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
金沢区・磯子区版 公開:2015年12月10日 エリアトップへ

関東学院大OB2選手 「挑戦」のサッカー人生 海外プロへインタビュー

スポーツ

公開:2015年12月10日

  • LINE
  • hatena

 関東学院大学サッカー部のOBで、現在海外のプロ選手として活躍する大津一貴さん(26)と日野健人さん(25)がそれぞれ一時帰国した。言葉や文化の壁を乗り越えて挑戦し続ける2人に、サッカーへの思いを聞いた。

 大津さんは今年初めて、海外でのサッカーに挑戦した。所属したのは、モンゴルトップリーグの「FCウランバートル」。FW(フォワード)として得点を重ね、リーグ戦2位と、カップ戦準優勝に貢献した。

 「日本のサッカーとは雰囲気もリズムも全く違う」と現地の雰囲気を話す。体力や能力の高いモンゴルの選手に驚かされる一方、戦術的なノウハウは日本の選手の方があるという。「言葉が通じなくても、身振りで技術を伝え、声を掛けあってきた」と振り返る。

 言葉も文化も異なる地で挑戦しようとしたきっかけは、4年前にさかのぼる。

きっかけは「がん」

 高校、大学とサッカー部に所属。大学時代は県選抜にも選ばれる活躍をした。しかし4年生の頃、半月板を割る大けがをしてしまう。「プロとの差も感じていた。けがによって完全に諦めた」。サッカー引退を決意し、卒業後は住宅リフォーム会社に勤めた。

 そんな中、悪夢のような出来事が起きる。精巣に、悪性のがんが見つかった。「発見が遅ければ明日死んでいたかもしれない」…検査した際の医者の言葉だ。「病院のベッドの上で、初めて『死』を考えた。今死んで後悔するのは、サッカーを辞めたことだと思った」

 次の瞬間には、がんの恐怖よりも「もう一度サッカーをしよう」というワクワク感のほうが大きくなったという。退院後、体力づくりと傷のリハビリ、そして海外チームのセレクションという段階を着実に踏み、夢をつかんだ。

 「ひとりで海外に挑戦しつづける怖さはもちろんある」という。しかし「がんがなければ絶対に選ばなかった道。今年またセレクションを受けるが、頑張りたい」と笑顔を見せた。

自己責任で戦う

 日野さんは現在、オーストリア5部リーグのSVトンダッハ グラインシュテッテンに所属している。

 大学3年生の頃、国体の県代表に選ばれたのが、海外に挑戦するきっかけだった。年上の選手と交流するなかで、将来へのイメージが徐々に固まったという。

 「広い世界を見たい」。卒業後、海外への挑戦を支援するチーム「HBO東京」に入団。1年間、アルバイトで資金を貯め、実力を養った。オーストリアへ渡り、トライアウトを受け、現地のチームに入団する。

 海外でのプレーは3年目。振り返ると、苦労は多かった。一番の壁は「言葉」だったという。「最初のチームは日本人がいたが、次に所属したモンテネグロのチームは大変だった」。セルビア語が公用語の同国。寮で同室だった現地選手とは、コミュニケーションがうまく取れず喧嘩ばかりだった。いま感じるのは、住んでいる国の言語で話すことの大切さだ。現在はオーストリアの公用語・ドイツ語を勉強中だという。

 海外で戦っていく厳しさも痛感している。「結果が出なければクビ。自己責任の世界。めげないことが大事だと思う」。サッカーの技術以上に、「人間的な成長」が戦っていくために不可欠だと、海外で学んだ。

 今はまだ見ぬ「広い世界」を求めるため、挑戦は終わらない。

金沢区・磯子区版のトップニュース最新6

「食」のシェア空間が完成

磯子区洋光台

「食」のシェア空間が完成

飲食店開業など支援

4月18日

障害者診療「限界近い」

横浜市歯科保健医療センター

障害者診療「限界近い」

二次機関拡充求める声も

4月18日

ランドセルを海外へ寄付

金沢区PTA連絡協議会

ランドセルを海外へ寄付

15の小中学校から352個

4月11日

公園すべて禁煙へ

横浜市

公園すべて禁煙へ

条例改正目指し、来春から

4月11日

4月から雇用率引上げ

障害者就労

4月から雇用率引上げ

市も企業啓発に注力

4月4日

磯子の小学生と交流

プロバスケ横浜BC

磯子の小学生と交流

初のホームタウン企画

4月4日

あっとほーむデスク

  • 4月18日0:00更新

  • 4月11日0:00更新

  • 4月4日0:00更新

金沢区・磯子区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月19日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook