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高津区 人物風土記

公開日:2017.10.27

市のアゼリア輝賞を受賞し国内外で活躍するジャズピアニストの
桑原 あいさん
洗足学園高校出身 26歳

出会いで音色より豊かに

 ○…世界一流の演奏家との協演や今春から報道番組のオープニング曲に起用されるなど、今注目を集める若手ジャズピアニスト。「ジャズはみんなが楽しくなれる音楽。お客さんを巻き込みながら『会話』ができることが魅力」と明るい笑顔で語る。洗足学園高校音楽科を卒業し、3年前に市が開催したジャズのコンペで優勝してスイスのモントルージャズフェスの出場権を得るなど川崎とも縁が深い。「自分がやりたくない音楽は絶対にやらない。『桑原あいの演奏をやること』からぶれないように」

 ○…昨年、伝説的なドラマー、スティーヴ・ガッド氏、ウィル・リー氏と協演を果たした。4年前に参加した東京の音楽祭にガッド氏も出演したことが縁。「雲の上の存在。もう舞い上がってしまって」。ガッド氏から『いつか一緒に演奏しよう』と言われたが実行する自信はなかった。背中を押したのはモントルーで演奏を聴いた音楽プロデューサーからの『このまま進みなさい』という一言。「チャンスがもらえているのにちゅうちょする理由はない」と帰国後すぐに連絡し実現した。

 ○…千葉県出身。2人の姉の影響で自然とエレクトーンを始め、全国で優勝するなど才能はすぐに開花。だが、10歳で出会ったジャズへの思いが募り、中学生の時にピアノに転向。エレクトーンとは一転、思うような演奏ができず「弾くことが怖くなった」という。そんな気持ちを解したのが高校時代の恩師。「先生と話すと前向きになれた。言葉にはしなかったけど『音楽って楽しいでしょ?』って伝えてくれた」という。

 ○…休日は旅行、料理、釣りなどアクティブに動く。特に料理は「豚汁には自信がある」とにやり。日常の生活を大切に過ごすことが表現の幅を広げる。11月はかわさきジャズで恩師との初協演やNYでのライブ出演など忙しい。どんな舞台も「目の前の仕事や人を大切に」。その積み重ねが次の舞台へつながる。

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