運動公園に除草"名(メェ〜)人" 費用半分で作業面積は2倍
荻野運動公園に今年5月から”除草名人”がやってきた。昨年まで作業員が行っていた2倍の敷地を担当し、順調に草刈りをしている。それは3頭のヤギ。
これまで同公園外周部の草刈り作業は、人の手で実施してきた。面積は約5000平方メートルで最大勾配はおよそ45度。機械を使用するため、騒音や粉じんの飛散、作業員の安全確保といった課題があった。そこでヤギを使った除草を今年から試験的に取り入れることにした。この方法は岐阜県美濃加茂市などでも導入されている。
富山県の専門業者から借り受けたのは「ボブ」と「バブ」、「メーすけ」のオス3頭。およそ10000平方メートルの急斜面の土地を任されている。従来に比べてコストは半分、作業面積は倍になった。同公園管理事務所のヤギ係、落合琢磨さんによるとエサはここの雑草のみ。夏場以外は水を与える必要がないので、手がほとんどかからないという。
硬い葉を残すなど、雑草の好き嫌いがあるのはご愛嬌。落合さんによると除草機械を使う場合よりも時間はかかるが、マイペースに社員証を提げて”勤務”しているそうだ。
鳴き声が心配されていたが、今のところ周辺住民からのクレームはゼロ。約2カ月が経ったが3頭は有毒植物を本能的に回避し、暑さも気にせず元気いっぱいの様子。糞尿は無臭、繊維質で土に変わる。3年程度で雑草群落を芝に変えた実績もあるので活躍が期待されている。
また「今まで草刈りをお願いしていた人員を、ほかの作業に移せるのもメリットの1つ」と落合さんは説明する。
最近はヤギを目当てに公園へ足を運ぶ市民も多く、癒しの効果にもつながっているのだとか。レンタル期間は9月末まで。同事務所は「環境にやさしい新しいスタイル。来年以降は、今年の実績を分析して検討したい」と話している。なお金額に関しては公開していない。
問合せは同事務所【電話】046・225・2900まで。
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