大山阿夫利神社(目黒仁宮司)下社で1月7日、300年以上の歴史をもつといわれる「筒粥神事」が執り行われた。その年の農作物の出来や気象などを占う神事に、県内外の農・商・漁業関係者などおよそ120人が参列した。
筒粥神事は、大山の神饌(しんせん)田で収穫された米を炊いてできた粥を使って行われ、神職が小さな竹筒で粥をすくい取り、形の崩れていない米粒を数えてその数をもとに豊凶や気象などを占うというもの。竹筒には米(早生(わせ)・中手(なかて)・晩生(おくて))、大麦、大根、ゴマ、蚕など18品種が記されており、2人の神職がそれぞれの竹筒で粥をすくい、1品種ずつ今年の豊凶を判定した。粒の数は一の位が採用され、9が最良で0が不良となる。
神事の結果を受け、目黒宮司は「全体的に4〜7が多く、今年の天候は安定し季節感のある1年になるのでは」と講評。一方で、照りに強いとされる豆が5と高めで、晩生が3と低かったことから「今夏はだいぶ暑く、秋には台風に注意する必要があると思われる」と続けた。目黒宮司は神事の最後「十二支にならい、今年は飛翔の年、麗しき年となることをお祈り申し上げます」と結んだ。
結果は後日「大山阿夫利神社筒粥表」にまとめられ、全国の大山講信徒の農業従事者などに配布される。筒粥表は、古くから作付けの目安などに使われてきた。目黒宮司によると、今年は6万枚が配られるという。
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