3月19日にセミナーを開催するふじさわ傾聴連絡会の会長を務める 北島 令司さん 鵠沼神明在住 88歳
「傾聴」通して明るい町に
○…孤独を抱える高齢者らの心に寄り添う傾聴ボランティア「ふじさわ傾聴連絡会」の会長を、2007年の発足当時から務める。平均年齢70歳弱、約90人で個人宅や施設を訪問。「大切なのは忍耐。7割聞く、3割話すのを基本に、大きくうなずくこと、ときどき笑顔も見せること、それらを身に着けるには1年くらいはかかる」という。3月19日(土)には傾聴セミナーを開催。鵠沼地区社会福祉協議会の会長や、市の地域福祉計画の作成に携わるなど、引っ張りだこ。「一歩入ると抜け出せなくてね。2月は日曜日も入れて休みは3日だけ」と笑う。
○…静岡県の川根出身。逓信講習所を卒業後、藤沢の郵便局に配属。その後、パイロット養成所に入るものの、行く先は戦場。爆撃機のパイロットとして、ジャワ、マニラ、沖縄、そして九州へ。友人、先輩、後輩、数多くの仲間から遺書を預かり、見送った。
○…「あいつらが生きていたら日本はもっとよくなっていたはず。何かできることはないか」。それが福祉に携わるようになった原点だ。知覧には11年かけ、特攻平和会館の設立にもかかわった。当時の同期はそれぞれ、青少年育成やごみ拾いなどの活動に尽力しているという。戦後、藤沢に戻り、飛行場(現荏原製作所)で働いた後、日本精工へ。30代半ばから地区の福祉協議会の理事になり、仕事と福祉と2足のわらじを履いて歩んできた。
○…好きな言葉は「一隅を照らす、これすなわち国宝なり」。「一人の力は小さいけれど、小さな灯りをみんなで灯していけば町が明るくなるはず」。この思いを胸に、5年前には同地区にボランティアセンター「ささえ」を設立。5年で利用会員、支援会員あわせて約450人と、市内でも1番大きいセンターになった。「鵠沼地区を福祉で藤沢一の町にしたい」。思いは尽きない。
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