新春町長インタビュー 町民主体の町づくりを 町政運営は『着眼大局 着手小局』で
本紙では2012年の年頭を飾る特別企画として、木村俊雄寒川町長へのインタビューを行い、町づくりにおける将来への展望や抱負について語ってもらった。
(聞き手/本紙・寒川編集室 澤井美穂)
――新年明けましておめでとうございます。まずは、町長に就任され約3ヵ月半が過ぎましたが、振り返っていかがですか。
「昨年9月より、新たに町長に就任させていただきましたが、時が経過するごとに、その職責の重さを改めて痛感するとともに、皆様からの負託を厳粛に受け止め、身の引き締まる思いでございます。
昨年を振り返りますと、やはり東日本大震災によりまして、多くの尊い命が犠牲となり、今なおその悲しみは日本全体を覆いつくしております。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族に対しましてお悔やみ申し上げます。
さて、私についてですが、町長に就任して以来、町民の皆様方と直接お会いし、防災対策や今後のまちづくりなどに関して、ご意見を伺いながら皆様方との絆を深めることに奔走し、また、県をはじめとする関係機関とも十分に連携ができるよう、様々な調整を図ってまいりました。あっという間の3ヵ月半ではありましたが、今後に期待できる時間を過ごせたと感じております」
――平成24年度からは寒川町総合計画「さむかわ2020プラン」後期基本計画が始まりますが、厳しい財政状況の中、どのような姿勢で取り組まれるかをお聞かせ下さい。
「現在の社会経済情勢は、依然として先行きの不透明な状況であり、今後も厳しい町政運営が続くと見込まれる中、平成24年度からスタートする町総合計画「さむかわ2020プラン」後期基本計画の策定を進めているところです。
今まで右肩上がりに成長をしてきた社会経済環境下における総合計画は、どこの市町村でも、まちづくりに対して画一的かつ総花的に策定されておりましたが、プラス成長が見込まれない社会経済環境の中では、総花的な施策展開から効率的かつ効果的な観点のもと施策の「選択と集中」により、町民ニーズに即した施策への重点配分を行う必要があると考えております。
また、町政運営に当たっては「着眼大局、着手小局」を念頭に、町民との絆を深めながら、町民主体のまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております」
――町長の町政運営方針である「地域主体・町民参画のまちづくり」についてはいかがですか。
「現在、国では地域主権戦略大綱を定め、様々な地域主権改革に取り組んでいるところですが、その意義としては、国民が地域の住民として、自らの暮らす地域のあり方について自ら考え、主体的に行動し、その行動と選択に責任を負うという住民主体の発想に基づくものであるとしております。
私は、地域運営の最小単位は自治体ではなく、地域コミュニティであると考えております。地域のことは地域で決めることが、その地域の連帯感を高め、地域の活性化を促し、絆社会が実現できるものであると考えております。しかしながら、その役割を担う地域住民の参画なしではまちづくりは進みません。まちづくりは行政主体で行うものではなく、町民一人ひとりが自らが住むまちの運営を考えていただくことで「地域主体・町民参画のまちづくり」が進むと考えております。
また、協働のまちづくりに対して行政といたしましては、私を中心として職員一丸となって行政の責任を果たしながら、地域の皆様とともにまちづくりを進めてまいりたいと考えております」
――寒川駅周辺の整備事業についてはいかがですか。
「寒川駅北口地区土地区画整理事業につきましては、いよいよ整備完了が近づいてまいりました。現在は、駅前広場も整備が完了し、以前に比べ乗客待ちをしているタクシーも増加するなど公共交通も充実してきており、また、駅前公園も整備され、冬期を除いた第2日曜日に朝市も開催されるなど、今後様々なイベントなどが期待されます。
さらには、3月には駅北口にエレベーター・エスカレーターも完成を予定しており、駅前としてふさわしい整備が完成に向け進んでおります。
なお、今後につきましては、「町の顔」として、駅前にふさわしい賑わいを商店会の皆様とも相談をしながら、「賑わい・集う」駅前の整備を進めてまいりたいと考えております」
――さがみ縦貫道路の開通も近づいてきましたが、どのようにお考えでしょうか。
「さがみ縦貫道路につきましては、広域道路ネットワークとして、活力ある産業の育成に必要な都市基盤として大きな期待が寄せられるとともに、町では町内2カ所にインターチェンジが設置されることから、今後につきましては、周辺環境との調和に配慮しながら魅力あるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
また、さがみ縦貫道路の完成により県道等の交通結節点となることから、そのポテンシャルの高さは民間企業にとって大きな魅力となると思われます。多くの企業が進出していただくことで、快適で暮らしやすい活力あるまちづくりに寄与できるものと考えます」
――最後に、今年の抱負をお聞かせ下さい。
「昨年は、世界的にも、また国内においても暗いニュースが多く、人々が不安や閉塞感を持ちながら生活をしており、徐々に笑顔が失われていたように感じます。私としましては、人の笑顔は日々の生活において安心・安全の中から生まれ出てくるものだと思っております。また、明日を担う子どもたちの笑顔は、大人達の未来への期待であると考えます。
こうしたことを踏まえ、本年は地域の皆様と力を合わせ、身近な課題に対応しながら、安心・安全な絆社会の構築と子どもたちの笑顔を大切にしていきたいと思います。
なお、私個人の本年の抱負としましては、健康に気をつけながら、妻の料理を楽しむ程度で、当分の間、趣味などはお預けとなるでしょうね(笑)」
――ありがとうございました。
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