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小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記

公開日:2012.09.01

第68回現展で大賞にあたる「現展賞」を受賞した
上田 研次郎さん
市内清水新田在住 78歳

無限の世界をキャンバスに



 ○…「あまりに突然の出来事に、ただただビックリしたよ」。ある日送られてきた官製はがきに記された現展賞受賞の知らせ。その喜びというよりも驚きが勝った一瞬を笑顔で振り返った。『好きな時に、好きなように描く』これが上田流。昨年に続き今年の作品も東日本大震災で被災、犠牲となった人への想いを込めた。構想から完成まで約2カ月を掛けて描き上げた渾身の作品だ。



 ○…家具などの木工塗装業を営む傍らでの制作活動。時に仕事や食事を忘れ没頭してしまうこともあるとか。日曜大工が好きだった父親の影響もあり幼少の頃から彫刻刀やノミ、のこぎりが遊び道具。「絵も描いていたけど『芸術』に関わるようになった原点はこの遊びだったのかなぁ」と視線を遠くに置いた。



 ○…新たなインスピレーションを求め足を運ぶ趣味の海外旅行では40以上の国を訪ねた。マイナス10度の気温の中で描いたセーヌ川や夜明けのサンクトペテルブルクなど、その先々で風景を描く。「キャンバスを広げていると『グッド』、『ビューティフル』と、多くの人が声を掛けてくれる。時に絵は、コミュニケーションツールにもなる」と新しい効果を口にする。空港で油絵具を没収された時は、現地のレストランでオリーブオイルを調達。絵具と混ぜ合わせ、油絵具を作ってまで絵を描いたという武勇伝も持つ。「とにかく絵を描くことが大好き」と子どものような屈託のない笑顔を浮かべた。



 ○…「2つと同じ絵を描くことはできない」。そんな思いから、作品は決して売らない。お祝いとして友人にプレゼントするくらいでほとんどの作品を所有している。「時々過去の作品を見返すが良いと思える作品は何点もない」と現状に甘んじることなく高みを見続ける。「絵描きになりたい」と夢見たのは3歳の頃。78歳になった今でも無限に広がる上田ワールドを白いキャンパスに描き続ける。

 

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