90年代の横浜を舞台にしたコミックエッセイ『岡崎に捧ぐ』がこのほど、「マンガ大賞2016」の候補作にノミネートされた。青葉区在住の作者、山本さほさん(30)が、緑区で過ごした自らの子ども時代と、親友「岡崎さん」との友情を描いた同作。今、多くの世代に笑いと静かな感動を呼んでいる。
『岡崎に捧ぐ』は、山本さんが小中学校時代を振り返って描いたコミックエッセイ。タイトルにも登場する「岡崎さん」との特別な関係と友情を軸に、子どもならではのバカバカしくも愛すべき日常が、スーパーファミコンやたまごっちなど時代を映す懐かしいアイテムとともに紹介される。
元々岡崎さんの結婚式にサプライズで贈るために描いた漫画だったが、ネットに公開したところたちまち話題となり、青年紙「ビッグコミックスペリオール」(小学館)での連載が決定。昨年5月に第1巻が、同12月に第2巻が発売された。
山本さん自身は当初「ゲームなどの話題も多いので、同年代の人に楽しんでもらえれば、と思っていました」と振り返る。しかし単行本が発売されると、10代から50代まで幅広いファンのメッセージが届くように。「自分の子ども時代の面白いエピソードを書いてくれる人が沢山います。時代は変わっても幼い頃の楽しい思い出は共通なのだな、と感じました」と山本さん。そんな”岡崎現象”について、担当編集者の待永倫さんは「彼女にしか描けない世界なのに、誰もが『これは自分の話だ』と思う普遍性がある」と人気の秘密を分析する。
作品には青葉区内の風景も登場。最近では、作品に登場する場所を撮影してブログにアップするファンも現れるなど、舞台となる地元横浜の風景にも注目が集まっている。
マンガ大賞は書店員ら本当のマンガ好きが「一押しの作品を選ぶ」ことで知られる。「プライベートなことを書いていただけなので、評価してもらえてうれしいやら恥ずかしいやら」と山本さん。注目の大賞は3月29日に発表される。
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