なでしこリーグ1部最終戦のマッチスポンサーで「遊楽部(ユーラップ)」グループの代表を務める 瀧坪 勝男さん 大場町在住 74歳
「床屋」ひとすじに半世紀
○…地域で理容室を営み半世紀。その節目に、なでしこリーグ1部で戦う地元サッカーチーム「日体大FIELDS横浜」の最終戦で冠スポンサーを務める。その名も「遊楽部(ユーラップ)グループ創業50周年記念マッチ」。「淡々とやってきた50年、長年の縁がある地で『記念』として扱ってもらえる。本当にありがたい」としみじみ語る。
○…北海道今金町の出身。中学を卒業して働きに出る兄たちを見て育ち、自身も同級生と2人、15歳で故郷を発った。親元を離れ住み込みで働くのが当然の時代。歯科技工士を目指すはずだったが「高卒以上」の条件が気になり、隣の理容室の門を叩いたのが始まりだ。「床屋という職業自体初めて知って驚いた。田舎では親がバリカンで刈っていたから」と頭をかく。
○…24歳で独立後、地域のためにできることを模索するように。「地元相手の仕事。どうしたら還元できるかな」。市ケ尾に出店した時は、商店会皆で地域を盛り上げようと花火大会を企画。資金集めに苦労し、実現した時は「嬉しくて泣いちゃった」。商店主は皆同世代で若く、「エネルギーがあった」と懐かしむ。現在は横浜あおばライオンズクラブに所属。「お金より地域のために動くこと」を信条に、日々奉仕活動にも取り組む。
○…都会に出る前の思い出にと、親族と登った故郷の山の名をつけた理容室は今や4店。息子たちに1店舗ずつ任せ、夫人と本店を守る。それぞれ個性を発揮する息子たちの店づくりに目を細める一方「うちは入りやすさが一番」と屈託なく話す。向こう三軒両隣、声をかけあう暮らしの中に店がある。「お客さんとまずはお茶飲んで喋って、ぼちぼちやろうかって。そんな感じ」。床屋という仕事で地域に恩返しできたら、と穏やかに笑った。
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