上谷本町の中里学園跡地に来春、障害があり、支援が必要な子どもたちが通う特別支援学校が青葉区内では初めて開校する。校舎はまもなく完成予定で、現在、開設準備グループが着々と準備を進めている。
特別支援学校は、従来の養護学校などの機能を有し、主に小学部・中学部・高等部の児童・生徒が通っている。市内には24校の特別支援学校があり、各学校によって対応する障害の部門が分かれている。
青葉区に新設される学校は、肢体不自由教育と知的障害教育の2部門を有し、小学部から高等部まで200人程度の規模を想定。9月3日には「県立あおば支援学校」という校名案も発表され、同校を中心とする周辺地域の児童・生徒を受け入れる。
校舎はRC地上3階建てで延床面積は約1万1100平方メートル。付帯工事などを残すが、校舎自体は10月中に完成する予定だ。
建設業務に関わる業務のほか、時間割の作成や学校行事、部活動など、教育内容等について準備を進めてきたのが県教育委員会の職員で構成する開設準備グループだ。今年4月から市ケ尾高校内を拠点とし、5月から7月には近隣学校等で16回にわたり学校説明会も行ってきた。現在は高等部の志願相談を10月31日まで行っている。
コンセプトは優しいあおば
開校に向けたコンセプトは「思いを紡ぐ 優しいあおば」。開設準備担当の横澤孝泰課長は「子どもたちや保護者、教員、地域の方々が思いを共有し、ともに学び楽しむことで全ての人を受け入れ、認め合う優しい土壌が作れれば。学校を拠点に子どもの成長と地域の発展を目指したい」と語る。
校名案の「あおば」は、区外の児童・生徒が通うことも想定して親しみやすいよう、また子どもたちが青葉のように成長する願いを込めて区の名称というイメージに留まらない平仮名を選んだ。
11月に学校設置が認められる予定で、11月11日と16日には内覧会も行われる。
横浜北部エリア念願の開校
これまで青葉区には特別支援学校がなく、区内の子どもたちは県立みどり養護学校、高津養護学校、麻生養護学校や市立若葉台特別支援学校など、区外の学校に通っている。障害によっては区内からスクールバスなどで片道1時間以上かけて通う子どももいるのが現状で、保護者からは区内の新設を望む声が以前から上がっていた。
近隣校としても児童・生徒数が増え、過大規模化解消が課題となっていたため、県としても新設を計画。中里学園の移転が決まったことで同跡地での新設に至った。県は今回の新設によって、市北部エリアの空白地域を埋め、また、児童・生徒数の均衡化を見込む。
青葉区在住で、息子が麻生養護学校を来春卒業予定の父親は「同じ学校でも、横浜市か川崎市の在住かで進路等の仕組みも異なる。もっと早くできてほしかったが、安心して進路を探す上でも学校が近くにできたのは良いこと」と話す。
横澤課長は「これまで子どもたちが暮らす生活エリアと、通っている学校エリアが分かれていたが、今後は自分の地域で生活も学びもできるようになる。より地域で暮らしやすくなると思うので、学校と地域との関わりを密接にしていきたい」と語っている。
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