厚生労働省は11月8日、2019年度「卓越した技能者」を発表し、青葉区内からはハム・ベーコン・ソーセージ製造工として中山一郎さん(71/奈良町在住)が選ばれた。
卓越した技能者は通称「現代の名工」と呼ばれ、極めて優れた技能を持つだけではなく、産業の発展に寄与し、また、他の模範と認められる人が選ばれる。全国から毎年概ね150人が選ばれ、19年度は神奈川県下から13人が選ばれた。
青葉台と奈良町にドイツ製法の手作りハムとソーセージの専門店「シュタットシンケン」を構え、製造キャリアは50年を超える中山さん。「一職人として最高の栄誉で、ずっと目標にしてきたのでうれしい。今後はその名に恥じないように、安全安心で本物のおいしいソーセージを作っていきたい」と改めて意欲を語っている。
本場で金メダル
緑区で食肉卸を営む家に生まれ、高校卒業後は食肉解体を学び、家業に従事。その傍ら、子ども時代に食べた本場のソーセージの味が忘れられず、都内の専門店やドイツでの修行を経て、87年に青葉台で独立した。99年にはドイツで行われている世界最高峰の食肉加工品コンテスト「SUFFA」に「自分の力が本場で認められるか」と4品を出品。本場の職人と競い合い、3部門で金メダル、1部門で銀メダルを獲得するなど日本人として初となる偉業も達成している。食肉卸の経験から、肉を見ただけでどのような製品に向いているか見極められることや、季節を問わず一定の品質・味を提供するために刃の回転数についての計算式を発明したことも高く評価された。
製造の魅力 発信も
横浜市の「横浜マイスター」や神奈川県の「卓越技能者」、厚労省の「ものづくりマイスター」に加え、技能検定委員としても活躍する中山さん。現在は子どもから大人までを対象にしたソーセージ教室の開催にも力を入れている。中山さんは「ドイツソーセージの魅力を伝えるとともに、家庭で気軽に作ってもらい、食肉加工の裾野を広げられたら」と夢を語っている。
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