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青葉区 人物風土記

公開日:2023.03.02

みどりアートパークで4月1日にテノールリサイタルを開く
下野 昇さん
奈良町在住 87歳

  • 下野 昇さん (写真1)

死ぬまで歌い続けたい

 ○…幼い頃、家の蓄音機で耳にした、世界的なテノール歌手エンリコ・カルーソーのレコード。伸びやかな高音に、比喩ではなく「体が震えるほどの衝撃」を受けた。時は第二次世界大戦の最中。それでも毎日、擦り切れるほど再生した。「こういう声で歌ってみたい」。声楽という言葉も知らなかったが、小学生の時には歌い手になることを夢見ていた。

 ○…佐賀県生まれ。父親を幼くして亡くし、女手一つで育てられた。高校卒業後、声楽を学ぶために東京芸術大学への進学を希望するも母の反対を受け、佐賀大学に進む。しかし夢を諦めきれず、2年時に東京芸大の入試に挑戦。結果は不合格も「もう一度挑戦させてほしい」と断食までして母親に直訴した。上京を許された後は牛乳配達をしながら勉学に励み、念願の芸大に進学する。66年にオペラ「タンホイザー」でデビュー。ウィーン国立音楽大学へ留学も果たすと、帰国後は数々のオペラで主役を務めた。以降は、常に歌とともに人生がある。

 ○…自身の身体は大切な楽器。メンテナンスにも余念がなく、今も週3日はスポーツジムで泳ぎ続ける。50年住む青葉区への愛着は強く、地元コーラスグループの指導者としての一面も。老人ホームへの慰問も積極的に実施。コロナ禍で中断中だが「近いうちに復活させたいね」と微笑む。

 ○…87歳で迎える今回のリサイタルは、まさに「挑戦」。カンツォーネとウィーンの歌で20曲。休憩をはさみながら2時間近いステージを予定する。「年齢的にやれるのかと自問自答する日々。途中でリタイヤしちゃうかもだけど、同世代に元気を送れたら」と笑う。カンツォーネは日本でいうところの流行歌。「肩肘張らずに楽しんでもらえれば」と呼びかけた。

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