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公開日:2023.07.20
剣士育てて半世紀
奈良剣友会 小杉徳雄さん
地域に住む子どもたちのために誕生し、今年50年の節目を迎える「奈良剣友会」。創立時から半世紀にわたり、変わらず指導にあたってきた人物がいる。この7月に75歳となった小杉徳雄さんだ。「いつ引退してもいいと思っているけど、必要とされる限りは続けたい」と、今も竹刀を手に子どもたちの前に立つ。
「剣道の教室を開きたいので、子どもたちに指導してくれる学生を紹介してほしい」
1973年、玉川大学の職員だった小杉さんのもとを奈良北団地自治会の役員が訪ねてきた。
当時、大学の剣道部でコーチを務め、高校でも剣道の授業に当たっていた小杉さん。指導する大変さを身を持って知っていた。「児童に教えるのは難しい。それならば自分がやりましょう」。申し出に対して、思わず答えていたという。
仕事の後に
そうして始まった奈良剣友会。最初の練習場所は奈良北団地の集会場。奈良小学校の体育館ができると拠点を移した。
練習は木曜・土曜の週2回。大学での仕事を5時までこなすと、剣道の防具一式を担いで玉川大学から走って通った。「若かったからできた」と小杉さんは苦笑する。
当初から長く携わるつもりではなかった。立ち上げに参加して、誰かに引き継げれば、そんな気持ちだった。ただ初心者に教えるには技術と理論と根気が必要。「頼まれたからにはやり遂げたい」。稽古をほぼ休むことなく、気づけば50年の月日が経っていた。
成長見届けたい
会としては順風満帆だった訳ではない。最大で60人いた生徒が3人まで減った時は「さすがにやめようか」という気持ちが芽生えたという。ただ、やる気のある子たちの顔を見ると、「卒業するまでは面倒を見たい」と自らを奮い立たせた。
剣友会として掲げているのは「正正堂堂」。最も重視するのは基本の足さばきだ。姑息な手段で勝つよりも、正正堂堂と頑張った気持ちが財産になる。子どもたちに言い続けていることだ。
現在は10人の小学生が所属。保護者の中からコーチも生まれた。「50年、いい思い出しかない。長かったという気は一切ない」と微笑んだ。
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