「白内障手術、高額な多焦点レンズはいいレンズ?」 コラム【41】 悠先生のちょっと気になる目のはなし
白内障手術ではご自身の濁った水晶体を人工の眼内レンズに取り換えます。この眼内レンズには大きく分けて「単焦点」と「多焦点」の2種類があり手術前に選びます。
単焦点レンズはピントが1カ所になるレンズです。例として、裸眼で遠くを見えるようにすると手元には老眼鏡が必要です。レンズ代も健康保険でカバーされます。
多焦点レンズは近年登場してきたもので、眼鏡なしでピントを近・中・遠距離の3カ所に合わせられるものが多いです。しかし、一般的には選定療養という枠組みのためレンズ代が自費となり、片眼で20〜30万円ほど単焦点レンズより高額になります。
時折、患者さんで「多焦点レンズは高額なのでいいレンズ、よく見えるレンズ」というイメージをお持ちの方がいらっしゃいます。稀にこのイメージのギャップのために高いレンズを入れたが意外と見えないとおっしゃる方もいます。
実は、多焦点レンズは焦点が増える代わりにコントラスト(くっきりさや色の鮮やかさ)の質が、単焦点レンズよりも多少落ちます。一番見え方の質がいいのは単焦点なのです。もちろん最近の技術の進歩により多焦点レンズのコントラスト低下もかなり抑えられています。手術前には担当医とよくご相談されることをお勧め致します。
市ケ尾町の「梅の木眼科医院」の加藤悠院長が、目を健康に維持するために大切なことを分かりやすく教えてくれるコーナーです(月1回第2週目に掲載)
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