青葉区 社会
公開日:2026.07.02
世界情勢影響し祭り中止 奈良北地区 夏の風物詩
奈良北地区の夏の風物詩として地域に親しまれてきた「奈良北地区夏祭り」が、今年は開催中止となることが分かった。昨年、節目の50回目を迎えたばかりの歴史ある祭りだが、会場となる団地の大規模改修工事の遅延が主な原因だ。
毎年7月の土日に開催され、2日間で約3000人が訪れる一大イベントの中止に、地域住民からは惜しむ声が上がっている。
塗料不足で工期後ろ倒し
同祭りは、約1400世帯が暮らす奈良北団地の連合自治会と、団地北側に隣接する小田急学園奈良自治会が共催してきた。毎年、盆踊りや夜店、抽選会などでにぎわいを見せる。今年は16〜18年に一度の団地修繕期で、外壁塗装や耐震補強を行う過去最大級の工事となっている。
1〜3号棟の工事が今年2月に着工。7月の祭り前までに完了するスケジュールだったが、イランを巡る世界情勢が直撃し、シンナーなどの塗料や防水資材の輸入が滞った結果、工事終了時期がずれ込んだ。
安全面が壁に
祭りの大会委員長であり、奈良北団地連合自治会の内田清高会長(79)は、苦渋の決断の背景に「防犯と安全面」を挙げる。団地に足場が設置されたままだと部外者が容易に侵入できるため防犯上の懸念があり、多くの人が集まる中での事故も心配された。「祭りの最中に起きる事故はすべて主催者の責任になる」と内田会長。
さらに、足場が邪魔をして神輿や祭りの用具を保管場所から搬出できないという物理的な問題も重なった。8月中には足場が撤去される可能性もあるが、確証がないため、夏以降への延期も断念せざるを得なかった。
第2のふるさと
近年は、「第2のふるさと」が祭りのテーマとなっている。団地内の小学生は現在14人にまで減少しているため、近年は3分の2が団地外からの人出で、かつてここで育った住民の子ども世代(現在50歳前後)の「同窓会」の場、その子ども世代が純粋に祭りを楽しむ場となっている。
内田会長の長女もアメリカから毎年この祭りに合わせて帰国し、その2人の子どもも幼少期から祭りを楽しんできた。
団地創業時の1971年から団地前に店を構え、祭り運営に初期から携わる「昭和書房」は、「立派なお神輿があるから眠らせておくのはもったいない。来年は小さい子に担いでもらい、思い出を作ってほしい。高齢者も孫が来るのを喜ぶから」と期待する。
内田会長は「夏祭りは、団地に住む人同士がコミュニケーションをとれる大切な場。この地区は青葉区内で最も平均年齢が高いが、家にこもらず元気に楽しく遊ぼうと伝えていきたい」と語り、来年に向け今から準備を進める。
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