緑区 文化
公開日:2026.09.03
中山で公演 人形劇、言葉と海を越え インドネシアから来日
インドネシアを拠点に活動する人形劇団「ゴニ・パペット・シアター」が日本を訪れ、8月29日と30日に区内中山の会場でパフォーマンスを披露した。今回の来日で鑑賞できたのが瀬戸内国際芸術祭と中山のみとあり、全5回の公演は満員に。来場者は影絵を用いた人形劇を興味深く鑑賞していた。
同劇団の公演を中山に呼び寄せたのは、現代アーティストの安田葉さん。日本とインドネシアに拠点を置き、凧制作を通じた芸術表現に取り組んでいる。昨年度、アーティストのキャリア形成を支援する(公財)横浜市芸術文化振興財団の助成制度に採択され、中山にある交流拠点「Co─coya」に1カ月間ほど滞在し、創作活動のほかに地域との交流に力を入れていた。
安田さんによると、インドネシアは風が強い地域で、凧の文化が盛ん。江戸時代に遡ると、インドネシアを経由した東インド会社の船が長崎の出島を行き来するうちに、凧の文化も輸入され、長崎独特の凧「ハタ」に影響を与えたという説もあるという。展覧会で出会った同劇団と安田さんはこのような凧の文化への興味や関心を深く共有し、オリジナルの脚本で新たな人形劇の制作に向けて動き出したという。
見えない風を表現
出来上がった人形劇のタイトルは「風の向くまま」(英題:Where the Wind Takes Me)。少女「ハナ」が糸の切れた凧を追って森に入り、葉っぱの精霊に出会うストーリー。3人一体で人形に命を吹き込み、場面展開などでは凧をスクリーンにして影絵で情景を表現した。安田さんは「アートとしての凧と彼らの興味や技術が組み合わさってできた人形劇」と言い、言葉と海を超えて、あらゆる世代に親しまれる作品となった。29日、中山の多目的スペース「なごみ邸」で行われた公演に訪れた来場者は「人形の手足の表現がすごく上手」「見えない風を見せてもらって楽しかった」と感心していた。
4年ほど前から3人で活動を始めた同劇団。劇団名の「ゴニ」はインドネシアの言葉で麻袋を意味し、アイデアやクリエイティビティを世界中に運んでいきたいという思いが込められているという。劇団員の1人は「今回が初の海外公演。この場所でできて光栄に思う」と話していた。
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