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港北区 人物風土記

公開日:2023.02.02

市と連携し認知症予防の「脳トレそろばん」無料講座を実践する
淺見 昭剛さん
港北区在勤 75歳

人生変えた「得意なこと」

 ○…神奈川県下を中心に生徒数約2000人を超える「浅見珠算塾」の創業者。現在は長男に経営を委ね、そろばんをツールとした認知症予防に力を注ぐ。「脳トレそろばん」は、手の指をそろばんの珠に見立て計算するトレーニング。「頭と手を使うため、認知症予防に良いのでは」と15年ほど前から研究を重ねてきた。横浜市とは6年ほど前から連携協定を結び、寿楽荘(菊名)ほか市の老人福祉センターで「脳トレそろばん」の講座を開講。「皆、ゲーム感覚で楽しんでくれて、ついいつも延長してしまって」と微笑む。

 ○…子どもの頃は極度の引っ込み思案。「幼稚園は卒園できず、小学1年生では不登校ぎみ」と苦笑い。成績もふるわず、心配した両親が習わせたのがそろばんだった。最初は嫌々だったが、徐々にそろばんができるようになると自信がつき、成績も上がって、人前で話せなかった性格も別人のように変わったという。「そろばんと出会わなかったら自分はどうなっていたか」

 ○…大学卒業後、会社勤めをしながら珠算塾を開校したが、やがて「そろばんの方が向いている」と塾一本に。経営の第一線から引いた現在も市立小学校や珠算塾でそろばんを教えることは続けているのだという。できるまで粘り強く、その子に合わせて教えるのがモットー。

 ○…講座を始め、半年間ほどで最初とは別人のように生き生きと元気になるシニアを見ると、多くの人にもっと伝えなければという思いが湧き上がってくる。現在は息子の家族と4人暮らし。コロナ禍でも病院には全くかからず健康に暮らしてこられたのは、そろばんと家族のおかげだという。「世の中のため、90歳までは頑張るよ」と明るい笑顔を見せた。

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