港北区 社会
公開日:2024.01.01
今年も出航へ、野菜の宝船
小机町の農家で製作
年の瀬の迫る12月16日、小机町の農家で、正月の縁起物として親しまれる野菜の宝船の製作が、今年も着々と進められていた。
作業に精を出していたのは、よこはま小松ファームの松本勝彦さん(76)。この日は、作業場で収穫した野菜を積む宝船への飾り付けを行っていた=左写真。飾りは干支の焼き物や酒樽、盆栽、鶴など。宝船のサイズにより異なる。「特大の帆先には稲穂をつけてみようと思って」と松本さん。
野菜の宝船は、新年の五穀豊穣や商売繁盛を願ってつくられる。1月4日の出荷に備え、年末に新鮮な野菜が積み込まれる。出荷先は豊洲市場や大田市場、横浜市中央卸売市場など。例年、商業施設等に飾られる。
松本さんによると、60年ほど前には各農家が宝船を出荷していたが、関東エリアではあまり見られなくなったという。
三十数年前、祖父から「器用なんだから」と勧められ、宝船の製作を始めた松本さん。「その後、繰り返し製作依頼が入るようになったのは、背中を押してくれた祖父のおかげ」と感謝の気持ちで、毎年、宝船をつくり続けてきた。
注文が入り始めたのは11月中旬を過ぎたころ。そのため、事前に数を予測し準備し、宝船の大きさ別に、「マメ」70隻、「小」30隻、「中」10隻、「大」5隻、「特大」3隻を用意した。船体の長さは特大3mからマメ30cmまで。特大の宝船に野菜を積むと約800kgにも達するという。
「見栄えよく、楽しく」
出来は上々という野菜は大半が自作だが、一部は近隣農家からの支援。大根やカリフラワー、ロマネスコなど、宝船の大きさに関わらず1隻におよそ15〜20の野菜を積む。「見栄えよく、楽しくなるようにね」
「できる限りは続けたいが、そろそろ後継者を」と口にした松本さんは、「毎年のことだけど、縁起物だから心を込めてつくった」と話してくれた。
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